「マーケの人ってのは、要はウソツキなんですよね。」という題の洋書。LAXから成田に向かう便を待ってるときにふらっと立ち寄った空港の本屋で買った。
昔、とあるソフトの会社に居るときに「機能ばっかり増やしてもお客は買わないよ!」って製品企画のくせに言ってしまって、「じゃ、何があれば、買うんだよ!」と営業に返されて、「う~ん。それが問題なんですよ...。」と悩んでしまったころの自分に贈りたい。謎がひとつ解けた。
要は、お客は、機能とか価格とかそういうのをマジメに判断して買うんじゃなくて、「ストーリー」を買うんだと。ストーリーが無いもの(製品もサービスも)は売れない、ということを例を挙げて解説している。
もっとも気に入ったのは、61pに書かれているこれ。
I'm amazed to find myself writing this, but the purpose of this book is to persuade you to be less rational.Stop trying to to find the formula that will instantly make your idea into a winner. Instead of being scientists, the best marketers are artists.
訳すると、
こんなことを書くとは自分でも驚きだが、しかしこの本の目的は、あなたがもっと非合理的であるべきだと説得することなのだ。あなたのアイデアを簡単に成功にかえてしまう公式を見つけることを止めるなさい。科学者になるのではなく、マーケティングの人間は、芸術家であるべきだ。
って。そうそう。
あと、よく言う「ニーズ」を満たしているか?というのは愚問(そんなのは当たり前)で「ウォンツ」があるか?が大事だと。
その「ウォンツ」、つまり「必要」だから買うのではなくて「欲しい」から(必要じゃなくても、値段が高くても)買うという状態になるまで、「ストーリー」を語れ!と。ただし、その「ストーリー」は「信じられないぐらい」に際立っていてかつ、「真正」でないといけない。
う~ん、言い得てるなぁ。わかりやすい例と平易な単語ばっかりなので、英語が苦手な人にもおススメ。
さぁ~、一発、ストーリーを作ろうかな!っと。
[いいですね] セス・ゴーディンおもしろいですよね。プロダクトや、ソリューションじゃなくて、「ストーりー」「期待感」「夢」を売るってとこは、ITぎょーかいとコスメぎょーかいは似てるなぁって思います。
投稿情報: arizona | 2006/12/16 00:43
[いいですね]
ソフトウェア広報から人を不健康にする悪徳産業のマーケティングに転職した私にはピッタリそうな本です。興味大!
投稿情報: hibinome | 2006/12/17 01:36
先日あるシンポジウムに参加していたら、とある大学教授が「で、われわれは、どんなニーズに対して、どんなプロダクトを提供すればいいのかね?」という発言をしていて驚きました。日本の大学事情がわかるような気がして嘆かわしかった。今度こんな教授にであったら、この本を紹介します。
投稿情報: RICO | 2006/12/17 17:08
今度、邦訳されたの読んでみます。
投稿情報: koji | 2006/12/17 23:13
あ、こんど貸しますよ、kojiさん。
投稿情報: yasuyuki | 2006/12/17 23:40