ネタばれしますので、あしからず。
障害学級を受け持つ教員とその家族、そしてかつての教え子が絡んで最後に「え~~!」ってどんでん返し。
ま、これもあれだ、前にも使ったけど「アクロイド殺し」だ。でも語り口は「グロテスク」だ、桐野夏生の。
ただ、構成的にだんだん語り部である主人公が崩れていく様が足りないと。崩れていくというより、壊れていくという感じを出して欲しかった。でないと最後があまりに唐突でしかも種明かしをしないもんだから欲求不満が残る。
演出としては、妻がイスラームになっちゃうとかがまぁ、面白いといえば面白い。そこらの新興宗教に嵌るっていう設定よりはドスが効いてる。
題名の通り、かつては情熱を持って取り組んでいた教育ってやつにホトホト疲れ切って、ついでに家族への愛情も涸れ果てて最後にリセットしたくなっちゃった中年(というかもう老年か)オトコの悲しさ、なのか。
障害学級や昏睡状態の病人を題材にして普通の人間がどうそれに接するのか?という部分の影の部分、というか本音の部分をチラッとだけ見せてくれる感じ。
もうちょっとエグイ部分が多くても良かったと思うけどな。「グロテスク」みたいにこれでもか!ってのは願い下げだけど。
一応、こっちもいれとこう。
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