読み始めてから、面白いんだけどなかなか進まないと言う本だった。読めば読むほど、この後どうなっちゃうのか、結末がコワイという良い本の見本のような。
作者の名前が耳慣れないんだけど、それはナイジェリア人だから。内容は、金原瑞人さんのあとがきがとっても良くって、
「ファンタジーといえば、ファンタジーだし、ホラーといえホラーだし、幻想小説といえば幻想小説だし、ラテンアメリカのマジックリアリズムの作品だといえば、そうかもしれない。」
というイギリス人とナイジェリア人の間に産まれた8歳の少女、ジェサミーもしくはジェスもしくはジェシーの不思議な体験を書いた小説。親や学校の期待を受けながら、自分でも理解出来ない自分の本質と葛藤する様がとってもよく描写出来ていると思う。
「二度としないね?」パパはきっぱりいった。こまった。このごろはいつも、うん、といわなくちゃいけないことばかりだ。たぶん、もう、いやだっていっていいよね。もうーーー
「うん。しない」ジェスはか細い声でいった。この次、この次は、あたし、いやだっていう。
でも、舞台のひとつがナイジェリアなのでラテンアメリカというのはどうかなぁ>金原さん。
この記事のタイトル通り、読んで思ったのはホラーもファンタジーも、まぁ、なんでもいいんだけど、種明かしなんてのは要らないんだなということ。その文章がもつ強さというかインパクトがあれば、「どうして?」なんてギモンは解決されなくても全然問題無い、というか解決する必要すら無い。ジェサミーは最後にどうなっちゃうのか、ティリティリはどうなっちゃうのか、そんな説明は要らない。金原さんの書いた通り、衝撃のエンディングではあるけど、ある意味、ストーリーとしてはちゃんとオトシマエがついてる。これでOK。
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