えとですね、入社5日目にThinkPadの研究開発拠点で開発者から話聞けるというのはツいてるとしか言えないと思うんだけど、まぁ、すごかったわけです、大和事業所。
抽選で10倍以上の狭き門を運良くくぐり抜けた約30名のThinkPadヲタクのみなさまにおいては、それはそれは有意義な約5時間だったと思います。では、ちょっとだけそのご紹介を。
今回のハイライトはThinkPadそのものの中身の話とキーボードの作り込みのこだわり話そして拷問テスト(!)と呼ばれる品質保証チームによるThinkPadイジメ大会のお披露目。
キーボードへのこだわりという部分においては、ちょっと他の会社と比べるのは酷なんじゃないかなぁ。
キートップを押し始めてから、下までストロークしてそれから戻るとこまで、たった2.5mmの距離のお話なわけです。しかも重量(チカラ?)で言えばMax100g。つまり、2.5mmと100gというものすごいミクロなふたつの軸の中でどうやって指を動かすか?というか指との関係を良くするか?というミクロなんだけど、とっても重要な部分に関する理想点を求めてどんだけ時間使ってるんだよ!というお話。ひとつの新機種のキーボードに10種類以上のプロトタイプを作って試しまくる。そしてキーボードだけではなくパームレストの傾きからキーとキーの間隔、キートップのへこみ具合、スペースキーの微妙な曲線などなど。もうここまで拘って、しかも首尾一貫して作り込むってのは執念としか言えない。あと、如何にキーボードの上からかけられた水を逃がすか!という工夫とか。
それと過剰なぐらいな試験設備。ここまでやるか!って感じ。
何たって、キーボードの右端にあるカーソルキーの「↑」(上矢印)が「ろ」と「Shift」キーの間にあるようないい加減な作りをするメーカーは法律で罰せられるべきだ!なんて言っちゃうんですから。
そして、ThinkPadイジメ大会。あ〜〜〜〜〜、見なければ良かった、と思う場面がいきなり最初のほうに出てくる。
でっかい工作機械に括り付けられたThinkPadがドカン!と床に叩き付けられたり、角からガツンと落とされたり、上からガッシリした機械のアームでグイグイ押さえつけられたり。どうみてもふつーのLCDならさっくり割れてます。
そしてLCDの片っぽだけ持って何万回も開け閉めさせられたり。
書き忘れた。ちなみにP社の「さぁ、ノートしようぜ!」というヤツは、あっと言う間に壊れちゃったらしい。大体、液晶とその裏のふたのとこが両面テープで貼っついてるだけなんだから。ま、軽さとバッテリー命なのでしょうが無いといえば、しょうーがない。これも考え方だなぁと。
それから電波暗室と呼ばれる外部からの電磁波、電波を遮断した特別な地下の実験室はあっと驚くぐらいの広さの部屋だった。そしてこの実験室の測定結果は、世界中のどこの認定試験でも公式に認められるというお墨付き文書がどーみてもふつーの「今週のランチメニュー」ぐらいのさりげなさで壁に貼ってある。
そして地球上のどこの気候でも再現出来るという試験室で摂氏零度でいじめ抜かれてたThinkPad。
うわ〜、やめてあげて〜!と言いたくなる。
昔、東北大学で聞いた話、廊下にEthernetのケーブル這わせると、Ethernetの物理的許容範囲の最低温度を下回っちゃうので「なんとかして!」というのを思い出した。その試験室、窓が付いてるんだけど、内側が寒過ぎて霜が降りちゃうので、それを取るために窓の内側にワイパーが付いてる。それで霜を取って中を見られるようにするんだと。
そこまでやるかぁ!?ふつー。
ここまでしないといけないのかなぁとは思うけど、このおかげで助かったという人は山ほど居るんだよなぁ。
ちなみに歴代のNotebookが展示されているところはThinkPadミュージアムなんて言ってますけど、要は通路のところにさりげなく並んでる、というだけ。そこはこんな感じ。ちょっとタイムトンネルっぽい。
本体は全く色褪せてないんだけど、パームレストに貼ってあるMSとかIntelのシール(例のCore 2 Duoとかね)がキッチリ色褪せてた。カワイソス (´・ω・`) まぁ、ずっと陽に当たってる訳でしょうが無いか。
最後のQ&Aも盛り上がって良い見学会だったなぁ。
[いいですね] 売却後も大和で研究開発が行われているのですか?
大和は私も一度見学したことがあります。
投稿情報: koji | 2007/07/07 18:42
マカーにとっては「PowerBook2400の人達」だったりします。
投稿情報: コーノ | 2007/07/07 18:55
Notebookについて一言ある人はとりあえず行っとけ、見てみろって感じです。
投稿情報: yasuyuki | 2007/07/08 17:11