知り合いから貸してもらった「星々の舟」を読んだ。
最初の方の実は血の繋がった兄と妹の実ることの無い愛の話、妹の不倫話、長兄のこれまた若いOLとの不倫話、てなとこまでを読んだだけで「こりゃ、たまんねーな」と思ってもう少しで読むのを止めるとこだった。
なぜかこういう血を分けたドロドロ物語にはテッティ的に弱い。というか、近寄りたくない。
でも後半の長兄の娘が虐められる辺りから、これはたんなる男と女の恋愛物語じゃ無いんだと気が付いた。
いわゆるサーガものというか親と子、そして孫を対象に様々な社会的なテーマ、特に最後の最後の方は戦争を軸に描いた物語だったんだと。
これが林真理子だったら、兄と妹の実らない恋愛にもっと重きを置くというかそのジゴクを書く方にキモチが行っちゃっただろう。でも、どちらかと言うと後半の父親と孫の交流の部分をもう少し書き込んで欲しかったなと思う。
油断してするする読み進むと最後の最後でヤバいことになりそうな感じの小説だった。いきなり慰安婦のハナシとか出てくるし。
あ、良い本です、ととって付けたように感想を書いてみる。
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