30年にわたって家裁調査官を努めた藤川洋子の「春のはじまる朝」というのを読んでみた。
やはり、というか当たり前だけど、少年、少女の問題行為の陰にあるのは父親、母親から引き継いだ歪みなのだ。
良く出来た兄を持つ妹、精神病の母親を持つ次男、双子の妹を交通事故で傷つけてしまってから、落ちていく兄。
べつにそこに現れる事象を見ているだけでは、どうしてこういう結果が出てくるのか?疑問に思うかもしれない。そんなに破滅的でもないように客観的には思われることばかりでも、化学反応のように様々な人間が交わって何かが起こる。
そこの部分だけをみると家裁の調査官というのは、化学者のような観察眼が無いと務まらないのだなと思う。
いつもこの手の本を読むと人間って哀しいイキモノだなと思わずにはいられない。意地を張ったり、突っ張ってみたり、泣いてみたり、笑ってみたり。でも、生きてる限り、どうにかなる、という淡い希望を抱かせてくれる。哀しいけど、切ないほどの人間バナシ。
読みやすくて上質の冷酒を飲んでるみたいな感触。でも、春のお花見というより、まだ肌寒い縁側でこっそりお酒飲んでるみたいなシンミリ感がイイ。
この人の他の本も読んでみようかな。
読みやすくて上質の冷酒を飲んでるみたいな感触。でも、春のお花見というより、まだ肌寒い縁側でこっそりお酒飲んでるみたいなシンミリ感がイイ。
この人の他の本も読んでみようかな。
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