えびさんのところで読んだこんなイイ話。なんかそう言えば、と思って思い返してみるとありました。
中学校の数学の先生の話。(あれ?中学校って数学っていうんだっけ?ま、いいや)
中学1年生の最初の授業、先生が入ってきておもむろに「え〜、みなさんは今日から私の授業を受けるわけです。」的なイントロから、話は始まったんだけど、結構無駄話が多くてしかもなかなか話し上手な関西人だったおかげで緊張気味の生徒もなんとなくリラックス。
そんな話がなんとなく続いた後でもうすぐ終わりの時間になっちゃうな、という頃に先生が、突然、黒板に
A-----------------B
と書いてこんなことを言い出した。
「では、みなさんに問題。A地点から山田君が時速4Kmで歩いてきます。10Km離れたB地点から鈴木さんが時速7Kmで歩いてきます。そこに時速12Kmで飛ぶ蜂が山田君のところから鈴木さんの方に向かって飛んで行きました。蜂は鈴木さんとところに到着するとUターンして山田君の方に向かって折り返します。
さて、この蜂は二人が出会うまでに一体何Km飛ぶことになるんでしょうか?」
なんとなくだらだらリラックスして話をきいていた新入生はびっくり。当然、誰も正解は出せなかった。
そこで、
「みなさんがこの中学校を卒業する頃にはこんな問題、すぐに解けるようになります。だから、卒業する前の最後のボクの授業でもう一度、この問題を出します。みなさん、ちゃんと覚えておいてください。」
と言って最初の授業は終わった。
そして3年が過ぎてこれで最後の数学の授業というときに。
「みなさん、ボクが最初の授業のときに出したあの問題、覚えてますか?」
そう言われて一気に3年分の記憶がフラッシュバックした。そう、そう言えばそんな問題出されたよなって。
「さぁ、もう一回、問題を出しますよ。」
そう言って先生は同じ絵を描いて問題を話し始めた。きいていた中学3年生たちは、
「あ!わかった」「えっと、つまり・・・」「そうだよな、そういう風にさ・・」と口々に話し始めてこの3年間で本当に自分たちが問題を解く方法をなんとなく判り始めていたことを実感したんだった。
それをきいた先生は、「うんうん、そうそう。判ってきたよな。蜂が飛んでる時間さえ判れば良いんだよな、距離をいちいち計らなくてもな」と満足そうに呟いてくれた。いつも厳しくてダメなものはダメとハッキリ怒ってくれる先生だったけど、この日ばかりは自分の前に居る生徒が、それぞれ自分の解き方を周りの生徒と話したり、判った!って叫んだり、え〜なんで〜?とか相談しあうのを眩しそうに見ていた。
ちょっと涙ぐんだりしてたかも。それぐらい浪花節っぽい先生だったから。
なんか104枚の原稿紙の話からむか〜しの話を思い出しちゃったなぁ。なんとなく酷いいじめもシリアスな登校拒否も無い、ただ退屈だけが溢れていた、のんびりした田舎の中学校の話でした。
[this is good]
イイ話です...素敵な先生ですね。
投稿情報: pocket7 | 2008/03/17 23:51
とてもお世話になった中学の恩師を、ふと思い出しちゃいました。
定年後、念願のニュージーランドへカミさんを説き伏せて移住しちゃったんですけど!元気かなぁ・・・・と>wwwσ(^_^)
投稿情報: atorakusion | 2008/03/18 00:11
[いいですね]
よいお話ですー。
子どもを導くのって、そういうことですねー。
それにしても、この数学の問題難しい…。
投稿情報: えび | 2008/03/18 00:52
時速7kmを初速からずっとキープで歩くヤツ、スゲ。
こういうの、小学校の「算数」で解く方が中学の「数学」で解くよりよっぽど大変なんすよね>日能研。
投稿情報: コーノ | 2008/03/18 00:53
ステキな先生ですね。
私の高校時代の数学の先生、「数学には無駄が大切!」が口癖で、いろいろな解き方をして見せてくれました。そして、「人生にも無駄が大切!」と。
最近の学校の先生は、授業の進め方とかばっかりに神経を使っているのか、汲汲としているような感じ。イマイチ面白みがないなぁ・・・
昔は授業の半分近くを余談で楽しませてくれる先生が何人もいましたね。その内容が、先生自身の感動だったりすると、それが結構何時までも思い出として残っています。妙に脳裏に何時までも映像として残るんですよ、不思議ですね。
投稿情報: mayako | 2008/03/18 09:17
[いいですね]
投稿情報: tai-tetsu 太鉄 | 2008/03/18 10:22
[いいですね] こういう出会いはすばらしいですね。私も余談が面白い先生ばかり憶えています
投稿情報: もなちゅう | 2008/03/18 11:12
[いいですね] 数学の目的の本質的なところを上手に表現して、自分たちの成長も実感させるなんて、いいですねえ。
中学校は先生で科目の好き嫌いが決まってしまう部分もあるから、子供たちには良い先生に出会ってほしいなあと思います。
投稿情報: んちば | 2008/03/18 21:17
あ〜、みなさんコメントどうもです。
数学ってモロに上達(というか成熟度?)が判る科目じゃないですか?だから、クラスのみんなが「あ!」って思い出した時、そして「そうだよ、こうやって解くんだよ!」って判った時の感覚は今でも忘れられません。
まぁ、上手いことのせられたって感じかもしれませんけど。
今でも元気かなぁ。
投稿情報: yasuyuki | 2008/03/18 21:54