そのこころは・・・・
「なんだ、よしもとばななってあゆ母さんじゃん」って思っちゃったってだけなの。
実は、初めて読んだその名も 「はじめての文学 よしもとばなな」。
いわゆる若い人向けのよしもとばなな入門のための短編集、なのね。本人のあとがきが泣かせる。あとがきのタイトルが、「読んでくださった若い人たちへ」だもん。そこから引用。
しかし、私は若い人たちに、こう言いたいのです。
夢も持てない人生なんて、あってはいけない。夢とは、お金持ちになって広くて良い部屋に住み、仕立てのいい服を着て、おいしいレストランに行く・・・・・・・そんなものではないのです。夢とは、自由のことです。
そして短編に出てくる主人公の女性たちも日常の生活のなかから、少しだけ状況を変えてみたり、回りの変化や事件にちょっとだけ抗ってみたり、そうしてすこしづつまえに進んで行く、というひとオンパレード。
まるで、ちょっとぬるいけど、美味しい炭酸入りのミネラルウォーターみたいにキーンとしてなくて、でもさわさわしながら、ココロに沁みてくるような話ばかりだなぁと思った。
「キッチン」のえり子さんのセリフ、
「まあね、でも人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。あたしは、よかったわ。」
とか「おやじの味」の最後の文章、
久しぶりに食べたオムレツは死ぬほど懐かしい味がして、私は、久しぶりに、生きていることに意味があるような気がして、ビールを飲み過ぎてしまった。だから、ドラマでも見て寝よう、と思った。生きていることには本当に意味がたくさんあって、星の数ほど、もうおぼえきれないほどの美しいシーンが私の魂を埋めつくしているのだが、生きていることに意味をもたせようとするなんて、そんな貧しくてみにくいことは、もう一生よそう、と思った。
とか「デッドエンドの思い出」のなかの
今ならわかる。最低の設定の中で、その時私は最高の幸せの中にいたんだということが。
あの日の、あの時間を箱につめて、一生の宝物にできるくらいに。その時の設定や状況とは全く関係なく、無慈悲なくらいに無関係に、幸せというものは急に訪れる。どんな状況にあろうと、誰といようと。
ただ、予測することだけが、できないのだ。
自分で思うままに作り出すことだけができない。次の瞬間には来るかもしれないし、ずっと待ってもだめかもしれない。まるで波やお天気のかげんのように、誰にもそれはわからない。奇跡は誰にでも平等に、いつでも待ってる。
私はそのことだけを、知らなかったのだ。(201p)カレーを作っていて、たまたま残ったヨーグルトやスパイスやりんごなんかを入れているうちに、そして玉ねぎの量なんかをちょっと多くしたりしたら、本当に百万分の一の確率で、ものすごくおいしいものができてしまったような、でも、二度とは再現できない、そういう感じの幸せだった。(251p)
とかさ、もうこれは「あゆ母語録」にありそうだんもん。
で、またあとがきにもどると
私は、実際に会ったら、ケチでずるく腹も出てるし白髪も目立つ単なる口の悪い子持ちのおばさんですが、現実ではなく、小説の世界では言葉で魔法を使います。そこだけは大人として信頼できる点です。
「信頼できる」ってとこがぜんぜん説得力ないんですけどwwww あ、あゆ母さんと会ったことが無いひとは、上のとこは読んでも無視して〜。決してそうじゃないですよー(棒読み)
だいたいこの写真のキャプションの付け方からして、もう似てる。よしもとばなな、あゆ母さんのVox読んでんじゃないかと。
ということで次は何読もうかなん。
[いいですね]
妄想力、というものがあるとしたらそれのスコアがふたりとも普通の人より飛びぬけているんだと思います。あと、それを表現できる自分の言葉を持っているんじゃあなかろうか。
投稿情報: R | 2008/07/11 09:18
[いいですね] かなり大人になってから、よしもとばななに弱いんです。
ずっと読まなかったんだけどなぁ。これ、買っちゃおうかな。
投稿情報: afrokids | 2008/07/12 12:05
なんじゃこりゃー!!
今初めて記事に気づいた、やはりなにかRSSリーダー使わないとダメだ
VOXトップの新着一覧アテにならん><
ケチでハラ出ていて白髪目立つ子持ちは一緒なのに
彼女は小説家でわたしはただの引きこもり
ちくしょう! 本出してやる!! 新風舎から!
Yasuyukiさんは誰に似ているのさ その人読むよわたし
投稿情報: あゆ母 | 2008/08/06 09:22
あ〜なんだ読んでなかったんだ、これ。オレはねぇ、だれだろーなー。自分のことは良く判んないもんです。
ところであゆ母さんの久しぶりの記事、読みたいなぁとリクエストしてみる。
投稿情報: yasuyuki | 2008/08/06 13:33