昔のアメリカ、1904年のアメリカの少年と少女のお話。しかも場所がインディアナ州ってんだから、そりゃド田舎だわって思った。
なんか和訳のほうの表紙が出ないので、原書も入れといてみる。
インディアナ州のド田舎で育ったラッセルとその姉タンジー、そして末の弟のロイド、ラッセルのお父さん、近所のいたずらっこチャーリー、おしゃまさんのパール などなどが登場する学校を舞台にした青春物語(っていうのも陳腐だなぁ)。
で、題だけよむとまたぞろ教育系のハナシかと思いきや、少年がちょっとだけオトナになり、少女がこれまたちょっとだけオトナになるという筋書きなんだけど、アメリカの田舎と言えばお約束のビンボーネタもハラハラの恋愛ネタも最後にホロッとくるお涙ネタもちゃんとバランスよく揃ってる。
しかしこの頃のアメリカの田舎の貧乏っぷりは凄まじいなぁ。日本みたいにちょっと山に入れば、いろいろ採れて、ちょっと海に入ればこれまたいろいろ採れる、しかも真冬以外は結構その辺のものを食べてれば何とかなる、みたいな「大自然の品揃え豊富感」がきわめて少ない。あっても池ででっかいカエルを穫ったりするぐらい。
シアトルに2年間住んだり、なんどもなんどもアメリカには出張で行ったりしてるけど、基本は都会や郊外のオフィスで、回りは平均所得が高そーな住宅地ばっかり。一度でイイからこういうド田舎(ワイオミングとか)で暮らしてみたいなぁ。それはそれできっと退屈なんだろうけど。
本の話に戻りますと、あからさまに「お涙頂戴」でも無ければ、そんなにはドラマチックなことが起こらないのにドタバタ、ハラハラしてる感が満載でちょっと心拍数が上がる。でもそのドキドキは最後の最後でオチが明かされるので、スッキリして気持ち良いぐらい。けっこう感動的。読むなら、あんまり期待しないで読み始めるとイイと思う。最後の最後でほんわかした気分に浸れます。
で、Wikipediaで1904年を調べてみると、なんと日露戦争の始まった年なんですねぇ。アメリカさんはこんなにのんびりしてた時に日本はきっとどんな田舎の少年でも、決死の覚悟で日本海海戦の戦況に一喜一憂してたんじゃないかと。
あの名文、「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」を思い出す。だいたい最初にバルチック艦隊を見つけたのは対馬かどっかの島の少年だったんじゃ無かったかな。う〜ん、思い出しちゃった。やっぱ「坂の上の雲」、イイですよねぇ。何度でも読み返したくなる。
最後は大脱線でした。おしまい。
[いいですね] 坂の上の雲、秋山兄弟のお話良かったですね~、僕もこれは心の一冊です(笑)
投稿情報: ちかぱぱ0723 | 2008/07/01 00:32
[this is good] Certainly. I agree with you.
投稿情報: Bertram Arriaga | 2010/05/06 17:14