人間の身体ってのとクスリってやつの関係、というかそのスゴさは、こないだのジンマシンの時にビックリしたわけですが。そう、注射と錠剤の30分後にさっきまでのマダラの錦鯉状態の皮膚がすっかりキレイになったのだ。
これにはビックリした。こういう表面的な発疹系なヤツは眼で見て判るので本当に素人でも判りやすい。
で、そういうこともあってふと手に取った「世界で一番売れている薬」を読んでみた。
で、この本は、血液の中のコレステロールを下げる薬、スタチンを発明した日本人の研究者、遠藤章さんのお話。画期的な発明で、しかもその発見から派生した薬がとんでもない量で売れている。なので「世界で一番売れている」わけだ。
でも,中身は日本の製薬会社と世界的な規模の製薬会社、そして大学とかの研究者の実態をある程度、赤裸々に記述した「プロジェクトXノリ」のお話。でも、すでに情報源が居なかったり、死んじゃってたりするので、ホントのところはどうか判らないとこもある。
でもこれを読むと、なにかを発明して商品化する時のいわゆるNDAとかの書面のやり取りが如何に大事か判る。そこにどういう条項を入れて相手を縛りつけたり、こっちの自由になる隙間を作ったり、というところが研究者じゃなくてLegal担当の腕の見せ所なわけだ。
日本の会社のほうは、みょーにお人好しだったり、簡単に騙されたりして読んでて腹立たしい限り。あ〜〜何やってんだよ!って。
それと発明ってのはどこで発表したか!ってのがとても大事なのね、医薬の世界ってのは。
しかし、その約束系の事柄の重要性が、いわゆる訴訟がスポーツと見なされている社会と日本の口約束社会の違いなのかなと思う。どんだけ日本人てのはお人好しなのかって。
とりあえず遠藤章さんという偉大なエンジニアが居たと言うことをちゃんと覚えておこう。2年間で6,000種類の微生物を試験するって並大抵の作業じゃないよね。
あんまりバケガク系は詳しくないんでちょっとなになんだけど。
何がこうしてこうなるからあれが製造されなくて、だからコレステロールが下がる、とかすごいなが〜いプロセスを経て人体ってのは動いてんだなって思う。凄まじく複雑でしかも判んないところが一杯ある東京ドームぐらいの大きさの化学工場を目隠ししながら、歩いていって手探りで壊れた機械を直せって言われてるようなもんだ。医療と言うのは難しい。だから面白いのかな?
日本人がノーベル賞をとったらしいけど、遠藤先生にも是非!!
ついでにこの読売の記事が面白かったので、メモ。
「数学などをやたらに教えたがる普通のうるさい父親」って、おい。
[いいですね] 楽しい記事でした。この手のお話って、もっと知りたいし、もっと子供達に知ってもらいたいですね。
投稿情報: harisenbon | 2008/10/09 23:17