3/10に慶應三田のキャンパスで行われたこんなイベントに参加した。参加したのは約250名、そのうち学生が40%、残りは社会人。結構、若いひとが多くてやっぱ、最近の若いひとは社会貢献とかに興味が有るのねって思った。なんと!高校生もいたし。
内容は、このブログでもなんどか出て来た「Room To Read」のひととSFC卒でマザーハウスというカバンの製造販売をやっている会社の若き社長さん、それに慶應の先生である熊坂 賢次さんのプレゼンと質疑応答。
以上、サイトから引用。
内容は、ここで要約してもあんまり意味が無いと思うので、感想を書いてみる。
前々から「チャリティには透明性が必要」ってずっと思ってて、それは「オレの1万円が何に使われるのか?」を知りたいっていうことなのかなと思ってたがどうもそれだけじゃないみたいだ。実際にそのお金が例えばミシンみたいな道具の購入費になったとして、それが「どういう風に使われて結果どうなったか?」までも知りたいのだ。
つまり、この1万円がどう化けて何をどう変えたのか?ってとこまで知りたいんだな、オレは。で、上記お二人の説明を聴いて、前々から思っていたことがちょっとクリアになった気がする。
それは、透明かどうかというよりも「お金でモノを買って与えてもそれを使う人間自身が変わらなければ、結局変わらないんじゃないか?」だから、「人間を変える仕事をしている人がオレはスキなんだ」と。
そういう意味では教育は「人を変える」仕事だと思う。
山口さんの1年の6ヶ月以上を現地バングラデッシュで過ごして工場を立ち上げ、デザインから製造まで全部自分たちでやる、っていうのもスゴイと思うし、20代前半の女性が何も持たずに現地でビジネス始めたって日本の常識じゃ有り得なくない?ってぐらいの苦労が有ったんだろうと思う。
けど、いみじくも山口さんが質問に答えてポロっと喋ってくれた
「最近、バングラデッシュに日本からの投資や旅行者が増えてる。日本の企業が後からやって来て新しい工場を作って400人分の雇用を産み出している。だからアタシたちも負けないようにイイものを作らないと!」
というエピソードを聞いて、現地の何も知らない人たちは30名しか雇ってくれない会社よりも400名雇ってくれる会社をおそらく有り難く思うんじゃないかなと。勿論、調達をちゃんと地元でやってエコシステムとして地元に還元出来るというのを目指していたり、売上からポイント制を導入して現地にPCなんかを寄贈したりとかしてるらしいので、単純に工場で雇う人数だけ比較するのはフェアではないかもしれない。
でも作るものがなんであれ、単純に「お金をくれる雇い主」とだけ視られていたら、ひょっとして従業員ももっとカネの良い工場に移っちゃうだろうし、ちょっとキツイ仕事が来たら、いやになっちゃうかもしんない。そういう意味で、「この仕事はお金以上の意味(というか価値)がある」と理解しない限りは、根付かないのかもしれない。そしてその理解のためには教育というか理解が必要なんだろうと思う。
どんだけお金を落としてもその背景にある価値が見えない人には見えない。というか見たいと思わなければ見ない。というかそんなこと知ってもお腹は一杯にならない。だからこそ、教育が大事なんだってわけね。
あとお金では意味が無いかも!って思うのは、「貧困地域にPCをプレゼントしましたぁ!」みたいなパターン。これってその道具を使って何をするかを教えないとそれこそ無駄。単なるゲームマシンになっちゃってるのかもしれない。
脳の中の知識が増えることや考えて結論を出すことが、炭水化物とかビタミンとかの栄養に換えられればイイのになと思う。そーすっと哲学者とかはとてつもない肥満体になっちゃうかwww
話を戻す。人間が変わらないとお金を落としても途中で搾取されたり修理も出来ない工作機に化けちゃうわけだ。簡単だからね、お金渡すのは。
で、Room To Read だけど、「教育だけが人間を変える。そして人間が変われば、社会が変わる。」というのが、究極のメッセージなわけだけど、どうもその辺の訴求がちょっと弱い気がする。で、「RtRは結果主義なので、ちゃんと数値で見えます!」は良いんだけど、「お金の流れ」じゃなくて人を変えてるという部分をもっと理解してもらったらいいんじゃないかな。
あと、お金の集め方がねぇ。RtRが六本木ヒルズでセレブなパーティをやると一晩で5000万ぐらい集まるらしい。翻って、協賛しているブックオフを通した草の根的な集金システムだと1年間で「150万も集まりました!」ってwww
それってちょっとあの〜、なんていうか〜。だったら、ひたすらパーティしてればお金は集まるのよね。去年の収入は1.8億くらいだったらしいのでパーティ4回くらい全国でやれば、集まっちゃうのかも? まぁコストが嵩んで利益率は悪いだろうけど。
でも、それでは世間に「人を変えることの重要さ」は広まらないのかもしれない。でも、お金は手っ取り早く集まるんだろうなぁ。
ちょっと一般的な日本人の募金の感覚とは規模が違うなぁ。
脱線するけど、こないだお邪魔した「難民を救う会」AAR Japanっていうところは、去年の会計からみてみると5億5千万の収入のうち、会費や寄付は34%。残りのほとんどはいわゆる補助金(民間からの補助が3.7%, 公的資金が約60%)。
つまり個人がお金を出すっていう意識はあってもやっぱまだ「チリ」なのね。企業(アクセンチュアとかフェリシモとか)の寄付のほうがよっぽど多い。
こういう風にちゃんとビジネスとして回るようにしながら儲かんない、と分かっててもちゃんと啓蒙活動しないといけないってのってバランスが難しい。でもRoom to Readには頑張ってもらいたいなぁ。もちろん、マザーハウスの山口さんもどんどん拡大して行ってちょっと個性のあるデザインと素材感でバッグメーカーとして生き残って欲しい。
そういえば、山口さんが、「昔はバングラデッシュの悲しい顔をした子供の写真をWebとかに使ってたんだけど、止めました。それ見てもお客さんはイイ気分にはならないからwww」と言ってたけど、RtRもWebのページに出てくる子供たちはみんな笑ってる。
会場にもいっぱい若い人が居たけど、日本でも社会貢献をしたいという目的でジネスを立ち上げるワカモノがこれからも出てくると思うけど、まずはビジネスとして回ること、そして本業の中に「社会貢献」の部分が組み込まれていること、が大事なんだと思う。
周りの席に居たイイ感じのワカモノたちとも話が出来てよかった。しかしイスラエルでイスラエル人とパレスチナ系アラブ人を協同で働かせてオリーブオイルを作って日本で売りたいってワカモノが居たんだけど、それソッコーで熊坂先生にダメ出しされてたなぁwwww そんなヤツにイスラエル旅行の旅費の一部を貸してやったオレはアホなのかなぁ。(しかしこのブログ、見栄えはヒドいな。なんでこういう風に行開けまくり&赤で大文字なんだろうなぁ。これって流行のスタイル? どうなの?)
でもビジネスとして失敗してもいいじゃん。もう一回別の方法でやれば。今のうちに転んどけば、そのうち何とかなるよ、石川君。
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