ロンドンの16歳の男の子が、たまたま見つけちゃった骨壺から、失踪した自分の父親を乗り越えて強くなる、というそんな話。
なんて書くとジメッとした感じに聞こえるけど、スゴく乾燥してて、奔ってる感じの文体がイイ。
ミステリーとコメディーが同居、なんて裏表紙には書かれてるけど、ミステリーというよりは99%コメディだよ、これ。
あんまりイケてない男の子が主人公なんだけど、ママが異常なほど美人、でも結婚する前から結婚を後悔しちゃうとか、オヤジがこれまたモテモテな記者で突然失踪しちゃったりとか、姉貴がどっちかというとドロップアウト気味とか、まぁ、ドラマティックな背景がサラッとドライに描かれていてそれを味わいつつ、途中で彼女が出来たり、彼女のお母さんがガンで死んじゃったりするのね。
で、ナゾの骨壺のなかの張本人、ヴァイオレット・パークっておばちゃんの情報を少しづつ集めてるうちに、失踪した父親と奇妙な繋がりが見えてきて......ここから先は読んだほうがイイ。
男の子が男に成長するのを、こっち側でちょっとまぶしい感じで眺めてるって雰囲気の不思議な小説。最後のほうでちょっとじわっと来た。こうやって父親を乗り越えて行くのが男って生き物なんだろうなぁ。あ、この場合の「父親」は役割なのでシングルマザーの場合は、「父親」としての役割ってことですね、はい。
本のほうはここね。
で、VoxのAmazonからのアイテム追加が出来ないので、タイトルでググってみると最初に出てくるのがAmazonじゃなくてなんとカバーのデザインをしたひとのサイト。
http://lotuseater.blog12.fc2.com/blog-entry-275.html
おぉぅ、イイじゃないですか! Amazonに勝ってるってスゴいことだよなぁ。
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