世にたくさんある「これからはソーシャルメディアだ!」的な流行モチアゲ新書とは一線を画す解説本、「みんな集まれ!」、原題は「Here Comes Everybody - The Power of organizing without Organizations」
そう、今までは不可能だった事(組織をつくらずに人が動くってどういうこと?)がソーシャルツールのおかげで出来るようになりました!(でも出来ないこともあるけどね!)というのをいろんな角度から考察してくれるありがたい本。さすが定価2500円。やっぱ2500円払うならコレくらいの密度とReferenceがある本にしたい。
ちゃんとWikipediaのこととかLinuxのこととかも出てくるのでIT系の人にも馴染みやすいのかもしれない。ただ、なぜかワタクシは非常に読み終えるのに時間がかかりました。読みづらかった。なんでだろうか?
ちらっとだけど原発のことやエジプトの民主化運動のこともJoiさんのことも書かれてる。書かれたのは2008年2月(ハードカバーの1st Edition)なのでなんか予知能力的な不思議さを読みつつ感じてしまった。
こういうソーシャルネタな本はどんだけ事例を解読して、その要因とか影響とかを組み解くか?っていうのが必要だと思うんだけど、その点では絶品。参考文献もすごくしっかり書かれてる。
ということで「これからはマスメディアじゃなくてソーシャルメディアだよ!」って早とちりしてる人は読んだほうがいいかも。そういう表層的じゃないダイナミクスがこの組織を持たなくても動き始めている現代の社会にはあるのだということを理解するために。
ブログに代表されるソーシャルツールの持つ驚くべき特性である双方向性も、規模が大きくなれば名声が作り出す不均衡の問題を抱えてしまうのだ。テクノロジーは真実人々の注目によって起こる人間の限界を解決することは出来ない。
既存メディアの滅亡を予言した初期のレポートでは、ウェブはテレビと相反するものという位置付けをしていた。テレビは一方通行だがウェブは相互的、テレビは受動的だがウェブは双方向、そして暗黙のうちにではあるが、ウェブは良いものだがテレビは悪い、という見方が主流だった。
我々は今や、ウェブがマスメディアの完全な解決策ではないことを知っている。問題の幾つかは人間によるものであり、技術的な解決は見込めない。ブログの世界には権力存在せず、ただ大衆がいるだけだ。
しかしWikipediaを例えるのに伊勢神宮が出てくるとは思わなかったけど、最近のUSのインテリさんはその辺すごく日本のこと分かってる気がするのはホント気のせいだろうか?
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