年末年始に読もうと思ってとっといた「怪物はささやく」、元旦に読み終えてしまった。シヴォーン・ダウドっていうイギリスの作家さんのアイデアをパトリック・ネスっていうアメリカ人が形にしたヤングアダルト向けのファンタジー小説。ジム・ケイっていう人のモノクロなイラストが素晴らしい。
ぶっちゃけいうと、進行形の癌で死にそうな母親とその一人息子の話。それに両親の離婚とか父親が新しい妻と一緒にアメリカに行っちゃったとかガッコウでのイジメとか気心が合わないおばあちゃんとかとにかく舞台設定がリアル。それに恐ろしい怪物が絡むんだけど実際にそれよりも恐ろしい悪夢がこの少年にはあった。それは........というところで内容は読んで下さい。
ひとりの少年が困難を乗り越えるために必要なことが実にシンプルに痛々しくも美しく表現されている。素晴らしい。
そして本のパッケージとして更に素晴らしいのは、ひとえにこの本の随所に出てくる恐ろしくも美しいイラストのおかげ。こういうのは電子書籍では読みたくないって思わせる。これを創り上げたあすなろ書房さん、グッジョブである。
新年早々、こんなスゴイ本読んじゃったので今年もスゴ本と出会えそうな気がする。癌の物語として読んだとしても患者目線な新鮮な視点で思わずハッとさせられる。オススメします。
しまった。大事なせフリフを引用するの、忘れてた。こういうことを怪物に語らせるパトリック・ネス、注目しておこう。
物語はこの世の何より凶暴な生き物だ。物語は追いかけ、噛みつき、狩りをする。
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