今度の土曜日のスゴ本オフ、「角川文庫シバリの会」のためになにげに手にとって読んでみたら大当たりだった。
「11分間」は女の話、それもブラジルから悪い男に騙されてジュネーブに来て売春婦になった女の話なのだけど、男の目線で読むと「ウワァ~!危ないって!それ危ないって!ダメダメ、あ~!」みたいな叫び声をあげつつ(いや、叫ばないけど)読み進んで、最終的に「あぁ~~~~よかった~~~~~!!!」みたいになる。
でもね、読み終わってから、ちょっと待てよ、と。オレが男で男として読むからそういう風にドキドキになるんであって女の目線で読んでみたらどうなるんだろうか?と。
夢を抱いて悪い男に騙されて~っていう部分もよくよく読むとそんなにどぎつく悪い男でもない。そして売春婦になったのも自分の決断だ。そして図書館で本を読んだりフランス語を勉強したり、女性の目線で考えてみたら「マリーア、けっこうしぶといしアタマイイじゃん!」ってなる。
いっつも綱渡りみたいな生活だけど、決して悲劇的じゃないし、幸せそうだ。そうだよね、幸せって絶対量で測れるものじゃないし、相対的なモノだってことを教えてくれる。
こういう小説って自分がいまどういう状況なのか?によって評価が変わってくる気がする。男として読む場合と女として読む場合でも違うし、若い時、ある程度年齢を重ねた時、それぞれの楽しみ方がある気がする。
全体の流れから言っても唐突だけど、最後のほうで出てくる「Gスポットってどこだかわかる?」っていう質問に「入ってすぐのところ、一階の、一番奥の窓際あたり」っていう建物に例える表現がすごくウケた。いや、オンナ目線になっても全然わかんないって感じですけどもwww
作者はこのフレーズを見つけた時に「これだ!これを本にしよう!」って思ったかもしんない。そういう意味で個人的にはハイライトだったのです、この部分が。
なので、まず男目線で読んじゃう人は後からオンナ目線で読み直すと良いと思います。女性は......どうかそのままでw
最後のエンディングがとってもシンミリきて良い感じです。ナイス。
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