たまたま手に取った2冊が西アフリカのリベリアという国に関する本だったのでまとめて感想文をば。
最初の1冊が「祈りよ 力となれ リーマ・ボウイー自伝」。原題は「Mighty be our Powers」。
実際に中身も裕福な家庭に生まれて幸せの絶頂だったリーマが突然、リベリアの第1次内戦に巻き込まれていくっていうのを自分の目で書き起こした自叙伝。逃げていく時の状況が日本人の常識からいくとちょっと考えづらいものもあるんだけど、あくまでも主観で語ってる。邦題の「祈りよ~」っていうのとはちょっと印象が違ってて「祈り」よりこの人の場合は「行動すること」が一番の力なんだよね。それは読んでみればわかる。ちょっとウケ狙いに逝っちゃったって感じ。もったいない。しかし1989年の内戦勃発から1995年和平協定調印まで6年ですよ。なんぼなんでも長過ぎですねwそして死者15万人、難民が30万人。悲惨過ぎる。
戦争の話なのに常に兵士の目線じゃなくて「女性」目線なのが素晴らしい。ちょっと客観性に欠ける部分は多々あるけどw
中に出てくるエピソードとして同級生が反乱軍に参加して殺されちゃう話とかどうやって座り込みから大統領に話ができるようになったか?とかだけど、とにかく人が死にまくる。バンバン死ぬ。もう恐ろしいぐらいに人の命が軽い。
そして主人公のリーマはこれまた結構悲惨な状況で。ボランティア活動を始めるんだけど、悪い男に出会っちゃって出産とDV。子供を育てながら大学に通い、留学もして、直近は新しい支援団体を立ち上げたり。社会運動家としては2011年のノーベル平和賞をゲット。この本の中ではそこは書かれていないけど、彼女が普通の少女からタフな社会運動家になる経緯が淡々と描かれてる。
しっかしとにかく殺しまくるのね、アフリカの戦争って。リベリアに限った現象なのかな。しかも銃ではなくてナイフというか剣というか刀で。だから手足を切断された人が多いのかな。
で、次に読んだのがコレ。「闇のダイヤモンド」。これは一応ヤングアダルト向きの小説なんだけど、ちょっとドキドキする展開で胸が身体に悪いですwもうドキドキしっぱなし。中身はリベリアの難民家族がアメリカの教会の慈善活動の一環で受け入れられて、とても裕福な家族の家にやってくる。でもこの難民家族、どうみても家族に見えないし、何かあやしい。何か秘密を隠してる。この家族が抱える秘密とはなにか?どうしてそんなに怖がってるのか?なんてことを主人公のアメリカンな高校生の息子に語らせるという筋書き。
最初はあまりにリーマさんの本で読んだ内戦の酷さが頭に残ってたので、普通にドキドキする場面でも過剰に反応しちゃったよ。そして最後のほうで起こるハラハラドキドキのエンディング!今になって思えばそんなにドキドキするこたあないって内容だけどw
ということでリベリアという国を知るためにも連続で読むと良いと思います。ちなみにリベリアの独立は1947年。イスラエルが1948年だからかなりシンクロしてる。
こういう状況をある程度アタマに入れてからもう一回読み返すと良いかも。お勧め。
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