自閉症の息子を持つ作家のお父さんと画家のお母さんの心温まる体験談、だと思った?残念、間違ってすらいない。No, You are Not Even Wrong。
あるキッカケで自分の息子が自閉症なのだということを発見した著者が過去の歴史を遡って自閉症とは何なのか?どうやって接すれば良いのか?などを色んなエピソード、視点から考えた解説本というよりもどっちかというと紀行文と考えるとすんなりくる。自閉症というみたことのない場所を探りながら進んでいく旅行記。
前に読んだモンゴルに自閉症の息子を連れていくっていうヤツもすごく面白かったけど、自閉症を直そう、社会に適応させようという虚しい努力がそうそうに放棄されてからのエンドレスジャーニーな気分がとてもよろしい。
原題の「Not even Wrong」について、125pにちゃんと解説がある。
自閉症者は異なるパラメータで異なる問題を解いている。彼らは間違ってさえいない(Not Even Wrong)のだ。というのも僕達が「あなた」と「私」の世界で生きているとすると、自閉症者は「私」の世界で生きている。自閉症の子どもの話を書き取ればその子の語彙からある種の動詞がごっそり抜け落ちているだろう---特に他人の心の状態に関する言葉だ。「信じる」とか「考える」とか「知っている」という単語がすべて消失する。そういう考え自体が存在しないのだ。
いやぁ、面白かった。コレ子育てをする人は読んだほうがイイと思う。人間のユニークさがよくわかる。奥さんが描いたこの絵本も面白そうだ。「Different like me」っていうタイトルがなかなか素晴らしい。
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