昨日、豚組さんで行われた「Kizna」というソーシャルなCRMを実現するWebサービスについてのメモをつらつらと。まぁ、イバラの道っていうのは釣りです。
もともとは豚組hitoshiさんの「Twitter上で会話した内容がスグに参照できない」→結果として顧客サービス、顧客満足度に影響する、という欠点をカバーするというのが目的だったKinzaがいよいよPublic Betaになりますよ、というのが昨日の発表会の主旨。で、そこで発表されたUniversal InboxとかWatchやSearchそしてToDoなど、常にお客さんと触れ合う商売であるところの外食という業務形態から発想された機能が揃ってる。
これは当たり前のようでスゴイことでやっぱり常に自分がユーザーとしてどうしたいか?をちゃんとhitoshiさんがブレずに持ってるということなんだろうと思いました。
で、その上でKiznaがPublic Betaになったことでいよいよ一ユーザーの思いの実装から「多種多様なユーザーの思いを実装する」という、ソフトメーカー的に言うとVersion 1.0に向かって驀進されることを期待しております。
さてと、そこで、じゃあ向かう先はどんなことが待ってるのかなーというのを外野らしく無責任に予想してみる。
1)サービス系ならコレでほぼ充分。でも物販系だと販売実績を残したいかも。
実際には、外食でもたとえばコグレさんが誰と来たのか?どれだけお金を使ったのか?何を食べたのか?という情報は大事だと思うし、物販系ならなおさら。たとえばコグレさんの前回の購入履歴をどっかでリンクしたい、というニーズはあるはず。ネット販売であれば個々の商品のURLのクリックやコンバージョンをトラックする機能は必要かも。
あとは事後のコメントとかをTwitterとかではなく店員さんのコメントみたいな形式で内部的に残せるとイイかもしれない。Uniqloさんもそうやって現場の声を吸い上げる機能としてブログ使ってたし。
2)Profileは最終的にソーシャルグラフに向かう。
お得意さんや新規顧客をちゃんとProfilingして管理するっていうのはB2Cでは当たり前なんだろうけども、一人の人間をオブジェクトとして扱うだけじゃなくてその人が誰と繋がっているのか?誰が新規顧客を連れてきたのか?(つまりはリファラー的に)好みが似てる人は誰なのか?などなどの関係性を理解する必要があるのかもなぁと思う。つまりユーザー台帳的なフラットなDBからもっとセマンティックなDBへの進化が必要。そういう時に誰と誰が何で繋がっているのか?を時系列的に俯瞰できるビュー、つまりはソーシャルグラフ的なモノが将来的に求められるのかもしれない。それはKiznaという名前では無いのかもしれないけども。
3)TwitterとFacebookをあのUIで統合するのはちょっと大変そう。
これは機能面というよりも主にFacebookのポリシー的な意味で全くの憶測ですから要注意。FacebookとすればユーザーにFacebookのUI、つまり広告を視させることが出来る地平線にずっといて欲しいはず。それを独自のWebのUIでまとめて視られますってやられたら、せっかくの広告枠がムダになってしまう。あとKiznaはTwitterのPostを独自のDBに格納して3200件よりも多い15000件まで保存できるということは、今のFacebookのPostを外部に持ち出すことになるわけで、Facebook的には「Postはあくまでもお友達関係に限定する」という公開のポリシーに抵触しそう。
この辺は、まだFacebookのデベロッパー向けのガイドラインを熟読しないとマズイのかもしれないけど、あくまで感覚のハナシです。全く違ってる可能性もありますので一応念の為。でもCotweetがやってるから大丈夫かwwwCotweetのFacebookは投稿するだけなのかな?要調査。
4)価格が素晴らしく安すぎる。そして大盤振る舞いすぎる。
CotweetというTwitterとFacebookのアカウントを統合管理するアプリが付き63000円/月ですから。ちょっといくらなんでも安すぎる。素晴らしい。あと、いきなりPublicになってみんなが使い始めてAmazon EC2がパンク→使えねー!とかいうネガな風評を防ぐためにも人数をMax3000人とかにしてじっくり成熟させていただきたいと。そういう意味では安いのはイイけど、誰でもすぐに使えるという状況よりは、じわじわ増やすっていう抑え気味の展開のほうがありがたいかも。
ということでつらつら書きましたが、フツウのIT系のソフト屋さんでも無く、渋谷系のネットベンチャーでも無いKiznaさんはあくまでもユーザー目線でここまで来ちゃったので、このままその勢いをキープしたまま、突き進んで頂きたいと見守っております。
あぁ、思い出した。過去のタイムラインを再現するタイムマシンの機能はそれだけを使いたいってひとがヤマほど居そうなので機能を切り出したら世界中でウケるかも、とは思いました。マル。
追記:こんな大事そうなスライド撮っておいたのに入れるの、忘れてた。これまた自分用のメモってことで。今年の末ぐらいに見直したらけっこう面白いかもね。
Twitterで書いた自分メモ:「そういえばKiznaの記事で書き忘れた。ツールが完備されてお客さんとの関係とか過去の経緯とかを知ったとしても、最後に要求されるのは「文章力」というか「反応力」みたいな暗記系で鍛えるのは難しい能力なので、担当者は日頃から自分のアカウントで鍛えないとヤバイ。これはガチという感想メモ。」
投稿情報: Yasuyukima | 2011/03/02 19:49
メモその2:「逆に言うとKiznaを使って顧客と関係を作ろうとする企業とかお店は、誰なら任せそうかを面接以外にその人のツイートを遡ることでかなり正確に判断出来るってことかな。そういう意味では、Twitter上で企業が欲しがる広報ソーシャル担当を探すのはかなりラクかもしれない。」
投稿情報: Yasuyukima | 2011/03/02 19:50