これも昨日観たDVD。メキシコ人の親子が全然英語が出来ないのにLAで家政婦として生きていく、その時の顛末(英語とスペイン語)を綴った映画、というよりもすれ違う夫婦・親子の物語、ってとこかな。
メキシコ人家政婦役のパズ・ベガが最高にきれいでステキですが、ティア・レオーニの体を張った演技がこれまた最高。あんなに台詞だけじゃなくて泣き顔やら怒った顔やら、全身で表現出来る女優が居ないと、この役は成り立たないよなぁ。
自分勝手で突っ走ってて、でも子供の愛し方が判らない。でも、愛してもらいたい、ってのを普通はあんなに全身で演じられない。個人的にはアダム・サンドラーは、やっぱりもっとおバカチックなコメディっぽいほうが好き。カッコよ過ぎ。
フロール役のパズ・ベガが、娘やアダム・サンドラー演じるジョンに対して毅然と喋るときのスペイン語って、ホントに切れが良くて音感って強烈だなぁ。あれを英語でやったらもっとえげつない、というかべたべたした感じになると思う。ホントになにかを主張するには向いている言葉だと思った次第。アジテーションに向いてる。
でも、未公開シーンの中で「スペイン語を理解するには彼らの歌を理解しなければいけない」というナレーションがあって、スペイン語で歌うラブソングって、すごく甘い感じなんですよね。それは僕にとってはイタリア語と共通の感覚。
やっぱり、カンツォーネはイタリアンで無いと。あれを英語でやったら、気持ち悪くなりそう。不思議ですけど。
あと、ほとんど誰も指摘しないホントにチョイ役で出てくる、夏の別荘を紹介する不動産屋さん。これ、トーマス・ヘイデン・チャーチです。昔、USで死ぬほど見た「Wings」っていうシットコムにでてきました。彼が出た 「Sideways」も良かったなぁ。これで2004年のアカデミーの助演男優賞取ったんだもんなぁ。昔を知るファンとしてはホントによかったよかった。
話を「Spanglish」に戻すと、やっぱり設定がちょっと無理、というか不自然さがあると。つまり、家政婦があんなにゴージャスでその娘があんなに優秀なわけ無い、でもって白人夫婦の子供がまぁ、ウソってぐらいにカッコ悪い。そんなこと無い訳で、現実には。
その非現実さがかえってファンタジーとして映画が成り立ってるわけですね。
あと、普通、あそこまで行ったらもっと激しく二人は恋に落ちてる、というか感情に身を任すんじゃないかな。
そういう部分が抑制されているから、見終わった時に清清しさが残るんでしょうね。
いろんな部分が、うま~くバランス取れてて奇跡的(というかこれが、脚本と監督の力量か)にイイ映画になってると思いました。
オススメです。あ、SpanglishもSidewaysも、です。
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