金原瑞人さんが翻訳したフランチェスカ・リア・ブロックの短編集。9つの短編が入っていて若い女性(というか少女)が題材になっている。
そのなかの「Dragons in Manhattan」という作品が凄くイイ。
マンハッタンにすむタックは、イジーとアナスタシアという二人のレズビアンのカップルの中学生の一人娘。ダンスが好きでいつでもどこでも踊っちゃう。学校に通うようになって友達に「お父さんが居なくてお母さんが二人って変だよ!」って言われて、ふとそれまで普通だった二人のママにギモンを抱く。
「あたしのパパはスーツを着て会社に行って本物の仕事」をしている。で、顔は「カルヴァン・クラインみたいなステキな顔」。そんなパパを探しに二人のママには内緒でサンフランシスコに飛んでいく。そこで、パパとママ(ママはどうやら、アナスタシアらしい)が泊まってタックを「作った」ホテルへたどり着く。そこから、パパの居たアパートへ、それからパパの両親の家へ、パパ探しは続く。でも、結局、会えなかった。おじいちゃんもおばあちゃんも毎年のクリスマスカードしか貰ってなくてどこに居るのかわからない。で、タックはママたちが待つマンハッタンに帰ることにする。
最後におじいちゃんとおばあちゃんから貰った唯一残っているパパの若いときの写真を飛行機の中で見て、全てを理解する。
このところで「じわぁ~」って暖かい気分になった。なんて「可愛い物語だろう」って。
本自体は、薄くて活字もゴシック系で黒じゃなくてポップな色使い。カバーはちょっとどうかと思うけど、まぁ、いいのかも。ということでこの記事もちょっと色を使ってみました。
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