究極の選択です。
あなたが最も愛する人を愛するためには、あなたはその線を越えなければならない。
でも、その線を越えるためには今まで持っていたものをすべて捨てなければならない。
そういう選択を迫られた一人の若い男の話、で、終わるんなら簡単でいいんだけど、実際には愛する側と愛されたい側が二重、三重の入れ子になってちょっと複雑な話。でも、読んだ後、とっても清々しいイイ気持ちになれるのは、なんでだろう?
一番の悪役でなければならない登場人物も、終わってみれば愛したくて、愛されたくてしょうがない愛に飢えた一人の弱い存在であることがむき出しになって晒される。登場する人間全員が、それぞれ清廉潔白でもないし、エゴがあったり、嫉妬したり、激情に我を忘れたり。でも、誰もが愛したい、愛されたい、って思っている。それを、たったそれだけをすることがどんなに難しいのか、おとぎばなし風に語ってくれる。
ちなみにSFの小道具を使っているけど、全然、SFじゃないしそんなの別にどうでもいいと思えるほどの構成力と語り口。
小説の中にもう一つの小説があるっていう凝った構造だけど、変にひねってないので素直に読める。美しいけど悲しいお伽話だなぁ。でも、心がほっこり暖かくなる。人間で悲しい生き物だな、ホントに。
邦題の「スノードーム」も悪くないけど、「The Speed of the Dark」っていうのも英語だと結構、良いタイトルかも。ちょっと暗い感じの英語版のカバーデザインもまぁまぁいいんじゃないかと。
アイテムを挿入する時にAmazonのサイトを国別で選べるのはイイ機能だなぁ。>Voxくん。
[いいですね]
通りすがりのコメントありがとうございました~
sonくん(?)いくつですか?アンパンマンの絵見ましたけど、
親馬鹿なんてことないです!ほんとうにとっても上手~♪
スノードーム。
読んでみたいです!
久し振りに読んで見たいな~という本にめぐりあったような感じ!
また良さそうな本があったら紹介してください!
投稿情報: bakeratta | 2006/11/13 21:22
すごく御伽噺っぽくて、美しいけど残酷なほど悲しい話ですから、覚悟して読んでください。最後の最後で泣けます。(つーか、僕は泣いた。)
投稿情報: yasuyuki | 2006/11/13 22:10