作者があとがきに書いているこの本を書いた目的、「上品にSexに関するタブーを書くことができるのか?」というのを達成しているかと言われたら、「そりゃ。もうかなりの出来ですぜ。しかも最後にビックリ仰天のどんでん返し付きで。」というシオドア・スタージョンの「ヴィーナス・プラスX」。
作者の名前だけはどっかで聞いたことがあったけど、今回初めて読んでみた。この本が書かれたのが1960年っていうんだから驚き。核戦争による人類滅亡もジェンダーやらウーマンリブの問題も今そこに在る問題だったんだろう。しかし、この最後のどんでん返しの展開と恐ろしく冷徹な最後の一行が記憶に焼きついた。
ということで、「気がついたら物凄い進化した未来に居る自分」が「謎を解き明かす」という筋書きがだんだん壊れていくのが、面白い。SFとしても一流ですな。未来の世界の描写がとてもよく出来ているのにコンピュータとか人工知能が出てこないのが、さすがに60年ってことか。
この感覚、どっかで味わったんだけど、あれなんだったかなぁ。探してみようっと。
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