つまり、読んだことない、というDVDを借りてみた。チャールズ・ディケンズの「Oliver Twist」。
ディケンズは、何故か前のカミサンが異常にファンだったこともあって敬遠してたので、これがホントに初体験。何故に今頃か?というと恩田陸で読んだイギリス風っていう風景を見てみたかったから。でもそれよりも大きな要因は、今日、借りるべきアンパンマンDVDを「その速さなら、オリンピックに出られるだろ、お前!」的な速さで決めてきたちびっこの手前、もう何でもいいか!って思ったときにTSUTAYAで目の前にあったから。www
総制作費80億円使ったてのはどの辺なのか!と質したいけど、撮影はチェコみたいです。映画の最後に流れるクレジットヲタクとしては、オリバーがフェイギン一派にスリを習うってシーンがあって、「お、まるで手品っぽいなぁ」って思ったら、ちゃんとPick-Pocket Consultantsって人達がご指導していたと。でもってオリバーを助けるブラウンローっておっさんは、2代目ワトソン君な訳で。という枝葉も枝葉な部分はさておき。
で、本質的なことを言うと、無垢のまま、生き抜いてしまったオリバー、罪を承知の上で彼を育てたフェイギン、何故かオリバーに無垢のイノセントを感じて愛してしまうブラウンローの3人がそれぞれに織り成す物語、なのだろうか?
個人的には「感動の物語」では全然無い。罪と罰と生きる苦しみを教えてくれるという物語だったような。生きながら、育ててくれたフェイギンが絞首刑になるのを見るというのは地獄だろうし、その地獄を突きつけられた側も辛いしかないんじゃないか?
これなら、物凄い昔に見た、ディケンズ原作の「大いなる遺産」のほうが楽しかったというか意味深だったような。あれ?観てたっけ、ディケンズ。じゃ初体験じゃなくて2回目だ。オンナジ様なもんか。グィネス・パルトロウの緑のドレスがお洒落だったなぁ、あれ。
ところで、オリバーが孤児院からとある家庭に養子に出されてから、その家を飛び出てロンドンを目指す途中で、「もう腹へって一歩も動けない」という状況で、とある老婆の家の前の路上で倒れこむ、という場面がある。一度倒れて、起き上がって2度目に倒れる時にちゃんと靴が脱げて草叢にピョンと飛び込む、って場面がある。その後の夜明けの場面も相当キレイなんだけど、あの靴が脱げるシーンは物凄く何度もやらせたのか、一回こっきりの奇跡だったのか。こういうのが有るから映画っていいんだろうなぁ。
とりあえず、当時のロンドンは相当汚いところだったというのはよく判った。
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