ちょっと前置きです。ちょうど10年ほど前に離婚という経験をして、その時に「如何に人間というのは弱いものか」と痛感したことがある。結果として藁をも掴む思いで心理学関係の本を読み漁ったことがあった。図書館の「心理学」の棚には随分とお世話になりました。
で、結局いろいろあって(ずいぶん省略だな)、今は5歳児の父親をしている。ただし、「父親ってのはどういうもんだろう?」というギモンがやっぱりあって、それはきっと自分が育った家庭がほぼ「父親不在」という状況だったからだろう。
この本、「男の勘ちがい」は、そういう「男」にまつわる問題点というか状況を様々な角度から照らし出してくれていて自分の位置や向いている方向、やっていることを確認するためには凄く参考になった。
結婚しない女性が増えている、当然、出産率も減少の一途で日本はヤバイ、というのが世間様の関心事であるようだ。「なんかちょっと違う」と思っていたけど、一般的にこの問題を語るときにおかしいと思っていた一つの理由が、「女性が悪い」、「システムが悪い」という部分だけがクローズアップされている。「おいおい、結婚するのは女性だけじゃなくて男性も関係するだろ!」って思ってたら、ちゃんと数字を挙げて証明してくれた。
もうひとつ、昔から思っていた「お父さんとお母さんと仲の良い娘二人」っていうリハウスのCMか!的幻想についてもフランスを例に出しながら、解説してくれる。この有り難い(Thank youという意味じゃなくてHard to findのほう)「健全家族神話」というものが何故に少子化を招いているか、フランスがどうして1.9という出生率になっているのかが理解できた。必ずしもあの国のやり方全てがいいとは思わないけど。それでも子供を4人も産めば月額20万程度の補助が出るときけば、しかも結婚しなくても(相手が同性でも)社会的な保障が貰えるとなれば、日本でもシングルマザーは元気になると思うんだけどな。
「父親の仕事」という部分では、150pに、
あと、母親に対する冷静な視線、ということで、188pに
久々に読み返して簡潔な文体やその冷静な視点に感心した。
著者の斉藤学さんが主宰する家族機能研究所 にはブログもあります。
麻布十番に事務所があるんですね。ご近所だ。
で、結局いろいろあって(ずいぶん省略だな)、今は5歳児の父親をしている。ただし、「父親ってのはどういうもんだろう?」というギモンがやっぱりあって、それはきっと自分が育った家庭がほぼ「父親不在」という状況だったからだろう。
この本、「男の勘ちがい」は、そういう「男」にまつわる問題点というか状況を様々な角度から照らし出してくれていて自分の位置や向いている方向、やっていることを確認するためには凄く参考になった。
結婚しない女性が増えている、当然、出産率も減少の一途で日本はヤバイ、というのが世間様の関心事であるようだ。「なんかちょっと違う」と思っていたけど、一般的にこの問題を語るときにおかしいと思っていた一つの理由が、「女性が悪い」、「システムが悪い」という部分だけがクローズアップされている。「おいおい、結婚するのは女性だけじゃなくて男性も関係するだろ!」って思ってたら、ちゃんと数字を挙げて証明してくれた。
この辺からどうして男が結婚しないのか、大人に成熟できないのか、という辺りを歴史的背景からも考察する。東京の場合、既に30代男性の約半数が独身である。1995年の時点で45~49歳の男性の未婚率は全国平均で11パーセント、女性で6パーセントだった。1950年にはこれが男女とも1.5パーセントだったから半世紀を経て男性で約7倍、女性は4倍になっているわけだが、未婚率の伸びが高いのは男性のほうなのである。
もうひとつ、昔から思っていた「お父さんとお母さんと仲の良い娘二人」っていうリハウスのCMか!的幻想についてもフランスを例に出しながら、解説してくれる。この有り難い(Thank youという意味じゃなくてHard to findのほう)「健全家族神話」というものが何故に少子化を招いているか、フランスがどうして1.9という出生率になっているのかが理解できた。必ずしもあの国のやり方全てがいいとは思わないけど。それでも子供を4人も産めば月額20万程度の補助が出るときけば、しかも結婚しなくても(相手が同性でも)社会的な保障が貰えるとなれば、日本でもシングルマザーは元気になると思うんだけどな。
「父親の仕事」という部分では、150pに、
という記述があって昔読んだいじめへの対応を教えてくれた教室の悪魔や子どもの育て方のヒントをくれた家族力という本にでてくる「断固とした態度でNo!と言うこと」が、というかそれだけが父親に出来る仕事なんだなと思う。親の子育ての仕事の中には、規範の受け入れということが含まれていて、それをわかりやすく言おうとして私は「子どもに欲求不満を起こさせる(怒らせる)仕事」と呼んでいる。「我慢させる仕事」と言ってもいい。この仕事は「子どもを抱く仕事」や「子どもと別れる仕事」と並んで親の三大仕事のひとつであると思う。
あと、母親に対する冷静な視線、ということで、188pに
とある。そうだよなぁ、大変だよなぁ、でも親の仕事はそうやって抱きしめながら、一人で立って生きていく、親と別れていける人間を育てることなんだよな、と思う。「幼稚園というものは今のままならなくしたほうがいい」ということである。私も子ども二人を二つの幼稚園に通わせたからわかるのだが、あれは母親の幼児への没頭を前提にした危険な組織である。二~三歳あたりが特にそうなのだが、幼児とは、モンスターであると同時に、麻薬嗜癖者にとってのアヘンのようなものである。彼らと24時間、365日接し続けると、どんな大人でもおかしくなる。母親なら大丈夫というものではない。二~三歳の子どもと常時一緒にに過ごすのは危険という「注意書き」でも張り出したいくらいである。
児童虐待にはしる母ばかり見ている私のような立場の者の言うことにも少しは耳を傾けたほうがいい。バランスがとれる。
久々に読み返して簡潔な文体やその冷静な視点に感心した。
著者の斉藤学さんが主宰する家族機能研究所 にはブログもあります。
麻布十番に事務所があるんですね。ご近所だ。
[いいですね]
econaです。お友達に追加してくださってありがとうございます。
なかなか感慨深い気持ちになってこちらの記事を読みました。
私もこちらの書、読んでみたいと思います。>ちなみに私は生物学的には女性です・・・。
投稿情報: econa | 2007/03/01 13:51
[いいですね]
投稿情報: もなちゅう | 2007/03/01 17:43
はじめまして。
子育てに関する本をたくさん読んでらっしゃるのでびっくりしました。
親って結構大変なんだな(しつけなどの意味で)、と息子が2~3歳くらいのころ、ようやく気づきました。
それから夫婦でいろいろと考えたり話し合ったりでもうすぐ息子も小学生になりますが
これからがもっと子供をよく見ていかなければならない時期なのだと思っています。
ぜひ、この本や「教室の悪魔」「君を守りたい」「家族力」読んでみたいです。
投稿情報: mama | 2007/03/01 20:52
お!うちも来年、年長さんなのでそろそろです。オススメは、「家族力」と「君を守りたい」かなぁ。
「男の勘ちがい」は男性に読んでもらいたいです。「教室の悪魔」は食後に読むともどしちゃうかも。余りに生々しくて残酷で。
投稿情報: yasuyuki | 2007/03/02 11:30
[いいですね] 興味深く書評読ませてもらいました。
ぜひ読んでみたいと思います。
投稿情報: 246 | 2007/03/18 23:47