いや、何かというとこの「<つまずき>のなかの哲学」というNHK Booksの薄い本なのよ。カバーが奈良美智さんっていうキモ可愛い絵に引かれて手に取ったのは良いんだけど、こいつがなかなか進まない。
で、しょうがないから最後のあとがきでも読んでみるかと思って221pを開いてみると...。
私が言いたいのは単純なことだ。未来とは常に不確かなものだ。未来に向かって、新しく歩みを進めるとき、失うものははっきりしているのに、新たに得られるものの姿ははっきりしない。引っ越をするにしろ、転校するにしろ、新しい職場に移るにしろ、これまで得られたものは大きく、そして得難いものだったりする。その失う宝物はあまり大きく、そして失うことは確実であっても、得られるものは何も確実ではない。もし過去が確実で未来が不確実だということで、新しい未来に向かって歩むことがないとすれば、過去のまま、同じ状態を続けるのが一番よいということになってしまう。
「希望」は不確実な未来に対して飛び出していく力なのだろう。いや、過去と未来の間にある非対称性を常に壊していくことが、生きることなのだろう。もしそうであれば、死後の生があるかどうかとは無関係に、未来に希望が持てるだろう。
だそうだ。ちょっと勇気を貰った。これは、新潟大学のヤマウチさんという人文学部の教授が書き下ろした哲学の本。とってもイイ感じに咀嚼してくれてるんだけど、それでもツマズクのね。>自分。
あとがき読んでもうちょっと頑張ってみようとほんのちょっとだけ、思った。
ちなみにTTWNGCBC とは、that than which nothing greater can be conceived の略で 神を「それよりも大きなものが考えることができないようなもの」として存在証明を行ったアンセルムスのことば、の略。
ロバート・A・ハインラインの「月は無慈悲な夜の女王」の有名な一節を思い出す。
[いいですね]
投稿情報: withoutsugar | 2007/04/02 23:10
[this is good] It is an amusing phrase
投稿情報: Jerome Wickham | 2010/05/18 15:12