というぐらいの壮絶な犬と14歳の少年の物語。なにが壮絶かというとアウトブレイクばりの伝染病で人も犬もばたばた死ぬっていう描写とお思いでしょうが。伝染病よりコワイのは人間だってオチ。
これ、金原瑞人さんの翻訳だったから読んでみたんだけど、ヤングアダルト向きと言えばその通りだし、結末がまぁ、想定できると言えばその通り。そんなにツゴー良く終わんのかよ!って言う人もいらっしゃるでしょう。それはまぁしょうがないと。でないと救われないから。
でも極論すれば、犬と一緒にサバイバルする場面よりも、自分の母親、母親の再婚相手の義理の父親、周りにいるくだらない大人たち、同じぐらいの年齢のガキンチョたち、などなどとの戦いの場面のほうがずっと迫力があった。綱渡りしながら、ギリギリな感じで闘っている主人公の辛さとか自分でも理解できない感情とかの描写が秀逸。
そうだよな、そんなに客観的になんてなれないし、あとさき考えて行動なんてできないよな。14歳なんだもん。
アドベンチャータッチであり、サイエンスフィクションタッチなんだけど、本当のハラハラドキドキは犬のほうじゃなくて彼の孤独な戦いの方なんだなと思う。
でもその14歳のあとさき考えない行いが、結果的に全てを救い、母親とも二人の父親とも折り合いをつける結果につながったというところに救いがある。
これ、実写の映画で観てみたいけど、人はともかく出てくる犬は絶対にCGで作り込まないとヤバイ。殺気立った犬の狂気をみせないといけないのでリアルな犬じゃ無理だろうなぁ。でも恐竜と違って実際に一緒に暮らしている愛好家が多いから、ごまかしが効かないよねぇ。
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