いつものAMNさんのイベントでサイバー大学のお話を聞きに汐留はソフトバンクさんの本社に行ってみた。
セミナー中に写真を撮るのを忘れるぐらいに興味深かったので、写真はナシ。
ぶっちゃけて言うと「サイバー大学」っていうのは、ネット上で大学教育を受けられる通信教育みたいなもので、今時点で、始まってから1年半、生徒さんは2000名を超えるぐらい、ということらしい。
で、当然、ネットで授業をやるわけなので、生徒はパソコンを使って先生の話を聞いて、ちゃんとテストを受けたり、演習をしたりする、というもの。まぁ、その辺はここをみてもらえばイイとして、セミナーで聞いた話の感想を書こうと思う。
通常の大学の座学(?)の90分コースをネットでやるわけじゃないので、15分のパワポと先生のオンデマンドなビデオをみながら、学ぶわけだけど、同じ教室にいるわけじゃないし、生徒さんによっては真夜中に受けたりするひとがいるので、15分を4回繋げると1単位になる。それをみて生徒は学ぶ、わけだ。ほかにもQ&Aのコーナーがあったりするし、生徒同士のSNSがあったりする、まぁ、IT系の人なら「そりゃそうね」って判る機能がちゃんとついてる。
でも、話を聞いて驚いたのが、そのシステムだけじゃなくて、そのシステムのバックボーンと言うかフレームワークと言うか、ルールと言うか、大学全体の骨格がすごくちゃんと出来ている。説明してくれた大木さんと言う方に「これって全体がスゴくちゃんと練れてる気がするんですけど、SBさんで全部作ったんですか?」と質問してみた。すると「これは、実は韓国に前例がありまして・・・」ということで韓国でもう卒業生を出している同じようなネットの大学のシステムをかなり参考にしていると。
う〜ん、最近の(というか前からだけど)韓国の笑える状況をみるとちと不安になりますが、まぁ、イイ。
最後の懇親会の時にたまたま同じテーブルになったいわば同業他社の駒沢大学の山口さんと一緒にちょっとお話ししてたんですけど、業界のひとからみても「ITだけじゃなくて全体が良く出来ている」らしいと。で、SBの社員で教える側の先生もやっている方の説明で「教える側は非常に大変です。1回の授業、15分x4回のコンテンツを作るのにものすごく労力が必要です。」と言うのがあった。そりゃそうだよな、「え〜、今日は暑いですねぇ・・・」とか「実は今朝の新聞で・・・」とかの無駄話が出来ないから。
で、山口さんに、「これって生徒も大変だけど、何より先生が大変じゃないですか?」って思わず聞いてみたら、「いや、あれくらいは平気で出来ます。なんで講義で無駄話から入るかと言うと生徒がついて来れないから。」ということで大学の先生をやるぐらいの人なら、語ることは山ほどあると。それ聞いてちょっと安心した。
で、AMNのブロガーミーティング史上!最高の酒の量が用意されていた懇親会を終わって帰りがけに美谷さんとエレベーターでご一緒に。その時に美谷さんが「システムが良く出来ているんだから、慶応とか早稲田とかがサイバー大学に出店すればイイのに」って言ってたのを思い出した。そうだよな、ショッピングモールみたいに色んな講義が選べるようになれば、イイのになぁ、と思った。
あと今後の課題ってヤツを訊いてみたんだけど、「とりあえず4年間やって卒業生が出て、その生徒がどこに就職するか?」が見えないと高校側も評価できないらしく、運営側としてもまずは続けることが目標だと。各単位ごとに料金が発生するとか最初の15分は無料で観られるとか、ちゃんと「会社」っぽさがあってSBさんらしい。でも、IT系の学部はともかく世界遺産のほうはどうみてもカルチャースクールっぽく感じてしまうワタクシはだめですか、そうですか。実際に世界遺産のほうを受けてるのは旅行会社の社員さんとかが、サンプルになってた。ふむ。
ところで、1名でも生徒がいたら、コンテンツを作らなきゃいけないので、先生のほうにかかるコストは結構なもんじゃないかなと思うけど、バランスシート的には「もう真っ赤」らしい。そりゃそうだよな。でも思うんだけど、中のひとにしてみたら、当初は真っ赤でもいつかこうなったらちゃんと会社として回るようになる、って目標を見えるようにしておかないといけないような気がする。
お金が動く以上、「うちはもう真っ赤でもイイんです。」というのは外からみてどうというより、儲かんないのが当たり前の組織は中のひとのモラルが落ちまくるから、ちゃんとしておいたほうがイイように思う。
ということで、とりあえず法則が発動しないことを願うのみ。
タイトルはお約束の「サイバー大学のコピーを考えよう!」ワークショップの時になんとなく浮かんだ
「どこでもドア」で真剣キャッチボール
というやつを参考に書いてみた。とりあえず生徒さんも先生も真剣、らしい。
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