医療が崩壊しているってのは実態としてはなかなか実感出来ない。だいたい病院なんて病気になって初めて行くところだし。
つまり、そういうある意味、素人にとっては極限の状態に遭遇して初めて「うわっ!なにこれ?なんでこうなんの?」っていうことなんだろう。
ちょっと前に発生したアキバの連続刺殺事件を題材にした救命医療のテレビ番組がヒドかったという話に反応してみる。
あの時の緊急/救命医療の話をフジテレビが番組として訴えた内容に対して、医師の側から見た時のブログの記事がずっとアタマに残ってて(というかブラウザのタブにそのままになってて)、なにか書きたいと思ってたんだけど。
この番組のように、現場で奮闘した救急隊員のミスをむやみに誇張して報道するのなら、
日本の救急医療は完全に破壊されることでしょう。
だそうです。元の記事はここ。
このブログのひともコメントで書いてるけど、「それは世界の常識と比べてみてどうなの?」っていう都合の良い「後出しじゃんけん」的批判は、自分の立場を安全地帯に置いておいて、しかも現場の人の苦労を見向きもしない、という最悪のやり方だよな。
そんな後出しじゃんけんじゃなくて、自分が医師だったら救護隊員だったら、何が出来た?そして出来なかったとしたら、それはどうして? という問いかけをしない限りは、単なる外野のヤジだし、周りをヘンな方向に誘導するだけだ。
しかし、前に書いた小児医療の話も深刻だけど、そういう狭いジャンルだけがオカシくなってるんじゃなくて、もう医療全体がヤバイという悲痛な警告、だと思う。
医療に携わってる人たちは自分たちの意見を代弁してくれる政治家を持つなり、ロビー活動をしないと、ホントに変化は起こせない、と思うなぁ。あとはちゃんと個人としてではなくグループとして発言し続けないと。個人に依存してたら、疲弊しちゃうよ。
そしてそういう疲弊の先には、諦めと絶望の荒野が広がるんだろうな。もう足元で広がってんのか。
病気になって病院に行ってみたら、だれも居なかったという事態だって起こりえる。そういう非常事態だって思ったほうが良いんだろう。教育も大事だけど、医療もスゴく大事。
ということで何が出来るんだろうか、自分で。考えてみようっと。
実行レベルでなにができるのかを考えようとすると、今は何もおもいつかなくて。そもそも、何も知らないということに猛省。
投稿情報: ふろく | 2008/10/18 07:16
多分,一番マズいのが医療行政(もっと言えば厚生労働省)なんですよね.患者側にも医療従事者側にも苦痛を強いて,不信感を増幅させて,両者間のムードを険悪にして・・・.
マズい所を一つ一つ言い出すときりがないですが,まずは行政の姿勢が異常なまでに保守的なのを考え直して(ポジティブな方向に)改革してかないと・・・ですね.
投稿情報: まさとい | 2008/10/18 10:28
ほんとにそう思います。>教育も大事だけど、医療もスゴく大事。自分たちにとって大事なことほど丸投げのお任せ状態にしていて、何かあれば吊るし上げるだけなんですね。とくに医療に関しては自分なりの入院経験から思ったことなんですけど、医術は「神業」じゃないんだと言うレベルから、私達の意識を改めて行くことの必要も感じたことが多々ありました。 「解らないことだから・・・」のままにしていたり、得た知識が弾劾するための表現だけに終わってしまっていてはいけないんじゃないかと。。。あらためて、自分でできること・・・考えてみたいと思いました。
投稿情報: hilorie | 2008/10/19 12:28
小松秀樹の「医療崩壊」の世界ですね。文句言った者勝ちの思想と、医療は完全であるとの妄想…。そんなことを書いてはいけないのですけれども。文句言えたから?、医療費払わない人とか結構います。
で、現場は分からないことがいっぱいなんですね。そして、確実性を求めながらも、可能性という不確実性にさらされている。それが、医療現場だと思うのです。でも、そのあたりがきちんと認識してもらえないんですね。絶対うまくいく、うまくいかなかったのは医療関係者が悪い。と。
ただ、現場の医師や看護師なんかを見ていましたら、政治活動なんかに時間を割いているならば、一人でも多くの患者さんを見たい。よくしたい。そんな情熱を感じます。医師や看護師の平均残業時間は労働職種別の統計でも多い部類です。あまつさえ、サービスさ残業も多いのです。それでなお、ロビー活動に出ないのは、開業医が主体になった日本医師会と病院勤務医との齟齬も大きいと思います。まだいろいろありますがね、ともかく複雑なんですね。メディアの攻勢や訴訟探しの弁護士の介入とか……。ですから、兵庫県の小児科存続運動のような、住民レベルの運動があってこそ、ある意味での安心を買えるかもしれませんね。
ながなが書いてしまいました。(元医療関係者です)
投稿情報: harisenbon | 2008/10/19 15:51
別の記事に書いた「Stand Up」とかは、こういう業界の為にこそなにかをしないとヤバイんじゃないですかね。
ワタクシはまったくの門外漢ですけど、いつかは医療の世話になってこの世からオサラバしていくんだろうと思うと気が気じゃないです。せめて死ぬ方も看取る方も気持ち良く、オサラバしたいじゃないですか。そんな時に医師が「マジで今日過労で死ぬかも」なんて顔してたら死にきれないっすよwww
投稿情報: yasuyuki | 2008/10/19 16:02