前にTwitterでちょっと呟いたジョン・ウッドのRoom to Readの本を読んだ。ちゃんとセミナーの即売で買ってサインしてもらったんだけどね。ご近所のにゃむさんの過去の記事も参考として貼っておこう。
この本を読んで、「なんでオレはいままで赤い羽根とか年末の助けあいとかの募金活動がイヤでしょうがなかった」のか判った気がする。
ジョンが何度もこの本の中で書いている、「具体的な目標を定めて、結果をキチンと出す」という部分が従来の募金活動には決定的に不足しているからだと思った。(あそこは公開してるよ!ってツッコミはナシで。確かにお前が知らないだけってのもありますよね。はいはい、ゴメンなさいと前に謝っておく。)
具体的と言っても、例の24時間続くテレビのように「今回は、〜〜〜せんまんえん集まりましたぁ〜〜やった〜〜!!」じゃなくて。つまり、金額が明らかになっても「それで何するの?」までオレは知りたいんだと思った。
税金の場合もそうだけど、「オレのこの1万円はいったいどこでどういう風に使われてるんだろう?」とかを徹底的に公開する、そのためにITを使う、というのがこれからの社会貢献活動には必要なんじゃないか。
このキモチってのは、ある会社の株を買うのにも似てるんだろう。そこに出資してるからには、ちゃんとやってくれと。
その部分が、ものスゴク明解になってる代表例がRoom To Readなんだと判った。寄付を集めて、ネパールとかのド田舎に本を贈る、図書館を建てる、学校を建てる。それだけのシンプルな活動なのに、いや、だからこそ目標を定めて、進捗を管理する。
そして、より進んで「女性が教育を受けないととてもヤバイ」という認識に対してピンポイントで少女向けの奨学金を始める。
どれも具体的で定量的に測定が出来るものばかり。そしてMicrosoftばりのハードワーク。地球をぐるぐる回りながら、止まらない行動力と情熱。それに賛同して自発的に動く地元のメンバー。NPOのマイクロソフトを目指すってのは、スゴく当ってる。
前回、来日した時に会場からの質問で、「世の中にはいっぱい社会貢献の組織があると思うんですけど、どうやって選べばイイんですか?」に対する答え、「情熱をもっているところを選べばいい。例えば、Room to Readみたいな(笑)。」 それぐらい情熱に関しては自信があるんだろうなと思う。
ということで、具体的でRoom to ReadのWebをみてみると、Annual Reportがちゃんと載ってる。でふと一番底にCharity Navigatorというのがあるので、クリックしてみる。
そこにはなんとUSで活動している5,000以上のチャリティ団体の評価ががっつり載っている。赤十字とかも入ってんのね。
で、Room to Readはこれ。
これをみるとジョンのCEOとしてのサラリーまで書いてある。ちなみに彼のサラリー、$132,500は安いほうだ。
しかもちゃんとNPOのCEOのサラリーについての考察みたいなのもある。
キチンと活動しないと、「このチャリティは寄付の大部分を管理費に使ってて効果的じゃない。しかもCEOがスゴいサラリー貰ってる!」とか書かれちゃう。
こういうのをちゃんとやらないと日本でもこれからはイケナイような気がするなぁ。
日本で「社会貢献をしたい!」という若者が増えているらしい。是非、ジョンの情熱というよりもビジネスの進め方を参考にして欲しいと思った次第。
自分でも何か出来ないか、考えてみよう。そう、そこのあなたも。
[いいですね] 僕は今、現地にいる分、問題も色々見えてきますし、「なんとかしたいなぁ」と思うことも多々あります。
「なんとかしたい」を「なんとかする」ためには、研究者という枠組みの中では乗り越えられないモノがあるのを最近痛感しています。
一歩踏み出す。まずはそこからですかね。
ご紹介の本、今度読んでみます。
投稿情報: 九九 | 2008/12/21 19:27
九九さん、どうもありがとうございます。こと、社会貢献って言い出すと大掛かりというかなんか雲を掴むようなもしくは観念的なハナシになりがちですけど、ジョンみたいに「まずは本を届ける」とか具体的な目標を作ってソコにいくまでがんばる、っていうのが肝要かと。
これって起業とかと同じですよね。で、挫けそうになった時にどんだけ耐えられるのか!?は仲間と情熱なんだと思います。それが、とても大事。
全部自分でやらないほうがイイというのは、スゴいイイ教訓だと思いますよ。なんたってあのMSが成功した方法論ですから。
あとUSとかでも「チャリティっていうとパーティでいつまでもみんな話ばっかりしてる。何も実行しない」というジョンの感想が当日もありましたけど、要はビジネスとしてやっていない、ということですよね。目標が無ければ、それは単に惰性だと。やんないほうがイイまで言ってました。
そういう意味で僕はとてもいい刺激を受けました。
こういう人がきっとすこしづつ世界を変えていくんだと思います。
投稿情報: yasuyuki | 2008/12/21 21:43