2/1は映画が安い日ということで六本木ヒルズのTOHOシネマズで最新の007、「慰めの報酬」、原題Quantum of solaceを観た。
結論から言えば、いわゆるにやけた二枚目が美女の腰に手を回しながらヘンな発明品やら改造車を駆使して悪党を退治するという、いくぶんコメディがかったかつての「007」をイメージすると全然違う。今回は、前回に増してちょうハードボイルド。ほとんど笑わないジェームス。で、きっとこれは日本ではヒットしないなぁとwww
とにかく今回のジェームスは傷だらけ、服は泥だらけ、で、とにかくMに怒られるほどに殺しまくる。
冒頭のアストンマーチンとalfaのカーチェイスもボンドのアストンはボロボロのギタギタだし、Tom Ford誂えのコスチュームも全然パリっとしてない。だいたいヒロインもカワイイんだけど、濡れ場が無いwww まるでひたすらテロと戦う兵士のよう。
技術的な話を知らないながらも気付いたとこをメモってみると、戦うシーンのカメラワークがスゴい。最近の流行だと思うんだけどとにかく近いというか寄って撮る手法なのね。特に取っ組み合いのアクションシーンでカメラが一緒に落ちて行くみたいな写し方が随所に出てくる。ちょっと前なら引いてキレイに撮ってからズームみたいなのじゃなくて、どんどん一緒に動いていくみたいな撮り方。スゴイ臨場感。
後半の砂漠のホテルで戦うシーンも、ドカンドカン爆発して燃えるんだけど、全然引かないカメラワーク。勿論、引いてるシーンはあるんだけど、屋内のシーンなんてどんどん燃えて天井が落ちて来るのを間近で観てるキブンになる。車酔いするひとはツライんじゃなかろうかというぐらい。
あと、ボンドもひたすら追っかけて戦って余分なことは言わない。これまでのボンドと決定的に違うなぁと思ったのは、ボリビアに行くのに前作でも登場したマティスと一緒に飛んでる飛行機の中で、眠れないジェームスとマティスが交わす会話で、何飲んでるのか?って訊かれたジェームスが分からないって答えるところ。とにかく強いアルコールのカクテルを6杯も飲んでんのに。きっと前のにやけたピアース・ブロスナンなら、それっぽい名前を語ってるだろうに。
で、とにかく最後の場面でMが「I want you back」って言ってジェームスが「I never left」っていうところでかろうじてニヤってするぐらいなハードボイルドぶり。こんだけ笑わないボンドも無かったんじゃないか?
昔の変なギミック満点のボンドものが好きなひとはドンビキかもしんない。そしてきっとそういうひとのほうが日本は多いんじゃないかと。なので、流行んなそうだなぁと思う。
なんかこれで前作のトラウマから解放されたジェームスは次にどんな風になっちゃうのだろうか。これぐらいハードボイルドなほうが個人的には好きなので、この路線で次もお願いしたいもんです。
それでもちゃんとカーチェイス、船で追っかけっこ、飛行機でハラハラドキドキの3点盛りはしっかり入ってるんで、プロデューサーチームはイイ仕事してると思うなぁ。
ちなみにオープニングの映像をつくったのは、MK12というKansas Cityのグループ。音楽は、Jack WhiteとAlicia Keys。カコイイです。
ちなみにTom Fordネタで言えば、服がギタギタにされても例のサングラスがどか〜んと全面に出てきてて、それだけでエンドースした意味はあったのかも。あのサングラスすげぇカコイイけど、日本人には似合わなそうだなぁ。
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