リアム・ニーソンが熱演というか、鬼気迫る演技の邦題「96時間」、原題は「Taken」だけど、なんかどっかでこの流れ知ってるなーと思ったら、これだった。「初秋」。
http://www.amazon.co.jp/dp/4150756554/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1251883543&sr=8-1
ボストンの私立探偵、スペンサーが活躍するかなり初期の名作。レズの活動家を救うスペンサーの戦いってヤツ。
そっちは探偵とクライアントこっちは親子、って違いはあるけど、自分の持ってる能力を使ってとにかく前に進む、邪魔な奴は即排除、という辺りのスピード感がすごく似てる。
そして娘のことになると気が違ったようになる、っていうエピソードで思い出すのは、名作、ジョン・ル・カレ先生の「スマイリーと仲間たち。」の仇役、カーラとその娘の話。
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まぁ、この記事のタイトルはそれふたつを混ぜているわけですが。
で、映画のほうに戻ると、とにかくがっつんがっつん殺しちゃうわけだ、リアムおじさんは。パリに乗り込んで娘を拉致したと思わしき、移民のギャングみたいな奴らのところに行って、手がかりを求めつつ、どんどん殺す。で、最後はアラブ系のいかにもワルそーなデブオヤジのところに買われて行っちゃった娘を豪華な船に乗り込んで無理矢理取り戻す、皆殺し、という話。なんだ、書いてみたらカンタンな話だ。
ただ、監督のコダワリだろうなぁ、と思うのは、格闘シーンとかが如何にも殺陣でやってますという感じにあまり見えなくて、かなりフツウに格闘しているようにみえるところ。ハリウッドのワイヤーアクション的な「ありえねー!」なアクションが無い。
もうひとつは、カーチェイスの映像がこれもワザとブレたり、光の残像を上手く使っていたりする、つまりワケ分かんないけど、なんかスゴそう!って感覚に満ち溢れてるところ、かな。
よくよく考えると、リアム演じる主人公のやってることはどう見ても犯罪だし、昔の知り合いのパリの警察官の管理職の家に乗り込んで、情報を聞き出すというあたりは、司法への挑戦というかテロだよねぇ。情報を訊き出すためにその奥さんを躊躇なく撃つところがスゴイ。しかもそのシーンがあまりに素早く終わるのでもったいぶってタメるということが無い。そういう意味ではスピード感がハンパ無い。
とにかく、目的はどうであれ、リアム・ニーソンのシブくてカッコイイ殺し方を楽しむ映画であった。1000円でちょうどイイ。
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