民主党の鈴木寛さんという文部科学副大臣の方が書いた『「熟議」で日本の教育を変える」』という本を読んだ。
「熟議」で日本の教育を変える 現役文部科学副大臣の学校改革私論 (教育単行本)いわゆるゆとりでも早期英語教育みたいな技法ではなく「議論を通じて現場から教育を変える」そのことが結果として日本を変えるというまぁ、ちょっと具体的な感覚がつかめないけど、なんとなく逝ってることは分かるという方法論を提唱している政治家さんなわけですね。
過去の事例(Jリーグは通産省のサッカー部の人がワールドカップを招致するために作ったとか明治維新前後の小学校の生い立ち、文部省が出来る前に京都で小学校が作られてた!とか)を紐解きつつ、イカに議論をやりながら、現場主導でアイデアを実現していくのがいいことなのかを短めの文体で訥々と語る、みたいな本。
コミュニティスクールを作ろうとか学校無償化とかアイデアはいっぱいあるんだけど、なんか散漫な印象があるのはなんでだろう?結構イイこと書いてあるのに。それはきっと「熟議」という方法論がなにやらどこぞの勉強会チックななんとなくその場で結論が出ればイイよねー的なお気軽な印象を持ってしまうからなのかもしれない。
何かの問題点を共有してそれを具体的な解決策に落としこんでいく、という方法は全面的に賛同できるんだけど、実際に具体的な施策(要は必要なお金と誰がやんの?やったら誰がどうやって評価するの?)にするにはそんな短時間にその場では出来ないはず。だから模造紙に書き込んだところで「あぁ、これ、誰がやるんだろう?(笑)」になるのはまぁ、よくある話で。企業のカイゼンとか来期以降の目的を作るとかのいわゆる合宿系のアレですね。
なので具体的には「熟議」したあとの具体的な施策や行動計画は少人数でちゃんと作る、そしてそれを公開してキチンと実行していく、という後半のステップが技法として省かれているのが、なんとなくダメな印象を持ってしまうところなのかもしれない。
でも、民主党が政権とってこういう新しい(というわけでもないか、明治維新でもやってたって言うわけだし)発想で政治を、法律を、そしてお金を動かしてくれる政治家さんが居るのはよいことだと思います。
薄くて読み易いのでオススメします。
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