いやー、人生経験というか豊富な知識と調査分析能力っていうのはこういうところにも出てきちゃうのかなースゴイなーと思わざるえなりかずき。
なにかというとIT業界でも結構な有名人だと思うんだけど、電機大の脇先生が書いた「アマゾン・コムの野望」というアマゾンというか創始者のジェフ・ベゾスのことを中心に書き下ろしたアマゾン解説本を読んだからなのであった。
とにかくアマゾンというかペゾスのことを書くのに最初の章が「アイゼンハワーとキューバ危機」のことなんだもん。しかしそれが唐突ながらちゃんと筋として繋がっていて至極簡潔な文体と相まって最後まで一気に読み終えることが出来たのであった。
とにかくペゾスの家庭、家系、経歴、それから関係した様々な人のこと、バーンズ&ノーブルのこと、それから小売という意味での競合Walmartのこと、ワンクリック特許についてのアレコレ、SNSについて取得してしまった特許のこと、企業買収に関する詳細なリストと寸評、アフィリエイトとAPIについて、キンドルのアレコレ、AWSについて、それから最後にアマゾンの将来と称して、現在(!)のアマゾンのカルチャーと物流と株価について。こういうことをホントに賢いお年寄りが「あぁ、そういえばこういうことがあってね...」っていう感じに訥々としかし鋭く語るという本なのであった。
でも、ちょっと気になった点があって298pに
アマゾン・コムでは、本の発注伝票は各地の配送センターのウェアハウスに送られ、人手で検索され仕分けされる。コンピュータ化もベルトコンベアの導入も進んでいるが、完全ロボット化はできていない。本は大きさも重さもまちまちで機械化がしにくいとして、最後は20世紀初頭のテイラーシステムのような工夫に頼っている。これはまたずいぶんオールドファッションな方式であり、過酷な作業の一面も持っているらしい。
とある。これって本当なんだろうか?にわかには信じがたけど、徹底的に調査しそうな脇先生だから、間違ってはいないんだろうけども。中の人のご意見が欲しいトコロではある。
個人的にはアマゾンの成功って無店舗でコストが省けたというまずもってインターネット専業という立ち位置とアフィリエイトAPIを使って誰でも売り子(売り場?)になれるシステムを構築したことだと思うんだけど、アフィリエイトに関してはAPIの解説に終始して「どれくらいのアフィリエイターが居るのか?」「その推移は?」などに対する突っ込んだ分析が無いのがちょっと惜しい感じ。そのかわりにSOAPとRESTについて書いてあるけど、センセイ、それはあまりにやっつけではありませんか!と。
最後に一番オオウケしたのはここ。センセイ、最後のほうでちょっと気が抜けちゃったのかもしれないwww
ショッピングカートには五〇個の商品に対するエントリーがあり、各エントリーには個数を表す一から九九九までの数字が入る。理論的には五万個の商品が入るわけである。そんなにたくさん買ったら財布がもたない。(252p)
いやいや、センセイならやりかねないw
なぜって冒頭で紹介した脇先生のブログのこんな記事読んだだけで、毎日毎日「アマゾンでポチッとな!」ってしてる音が聞こえてきそうですしw
いや、とても良い本です。雑学的多面的にアマゾンを知ろうとする人には絶賛オススメします。
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