藤沢数希さん著の「日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門」という本を読んだ。
いつも思うんだけど、この手の本って「今の状況はコレコレコウなっている!だから{日本が・経済が・家庭が・教育が・医療が}ヤバイ!」っていう状況説明というか解釈というか書いてある内容がソコで止まっていて「じゃぁ、いったいどうすればいいの?」が語られていないことが多い。問題提起止まり、とも言う。もしくは不安煽り厨。
でも本当に言いたいことは「だからこうしようよ!そうすればこうなるから!」のはずなのになぜかソコがとても省略されてしまっていて残念な気分になる。人によっては批判するだけで提案すべき内容が考えられていないのかも知れない。
でもこの本はサブタイトルに「もう代案はありません」というのが付いてることからも分かるように、藤沢さんなりの提案がある。なので前半を削ってももう少しこの提案の部分の具体的な試算とか構想を読みたかった気がする。
なので、面倒な人はその第5章「もう代案はありません」だけど読んでもイイのかも。
ということで藤沢さんの提案をまとめると、消費税も所得税も法人税も10%フラットにして、破綻している年金は一回リセットして、解雇をもっと簡単にしてセーフティネットも作って、関税も農家への補助金もゼロにして農業を自由化して、道州制を導入して、教育はバウチャー制度を使い、移民もジャンジャン受け入れ(ただし大学と企業を入り口に)て、小さな政府を作ろう、という章の中の見出しをキュレートするとだいたい伝わるかも知んない。
要はどうみても消費税を上げないとたちいかないのであれば、ココでガッツリ変えちゃおうよ、というハナシ。とてもすんなり理解できる。今のままだと企業も金持ちも成功者もみんな日本から逃げ出しちゃうよって。特に消費税のほうが安定していて不公平感が少なく、脱税しにくいという辺りと今の平均所得税率(なんと3.9%!)の説明はとてもわかりやすい。こういう説明を政治家さんはするべき。
個人的には少子化対策って辺りを聞きたかった気もするけど、経済の人にそこを要求するのはちょっと酷だったかな。でもお金が経済のファンダメンタルだとすれば人口って社会のファンダメンタルだと思うんだけどなぁ。
ということでオススメします、コレ。
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