昨日のスゴ本オフ、前回なぜか本をゲット出来なかったので、今回はキッチリゲットしたのはイイんだけど、こんな薄いのに重い本を頂いちゃってどうしてくれる!な気分ですこんばんわー!
その本とは
「朽ちていった命」−被曝治療83日間の記録− NHK「東海村臨界事故」取材班
という本。あータイトルが長い。アマゾンのアフィはこちらからどうぞ。
1999年9月30日に発生した東海村にあるJCOでの臨界事故の被曝者を救おうと努力した医療関係者による勝てるはずのない83日間の戦いの記録。
これ読むと放射線によって如何に動物の組織が根本的に破壊されるのか、それを食い止める努力がどれだけ無力なのか、をなんとなくだけど理解できる。「海図のない航海」っていう一文に代表されるように前例の無い被曝量とそれを見せつけられる異常な状況はシロウトの想像力を超えてる。
被曝60日で一日に10リットルも体液が失われるって、つまり体重70kg超のこの被害者のカラダから10kg近くも血液とか体液とか下痢とかで流れ出てるってことだよね?そんなのってシロウトの想像を超えてるよね?それをなんとかしようと努力する医療関係者ってスゴ過ぎる。でもそういうことを原子力っていうのは引き起こしてしまうわけだ。もちろん、ちゃんと管理・運用しておけば起こらなかった事故なのかわかっているけども。
この本のイイところは「だから原子力が悪い」とかそういうプロパガンダになってないところ。ひたすら医療関係者の努力と無念さを描いている。ドキュメンタリーの基本だよね、コレ。
しかし医療関係者の心の中は複雑だっただろうなぁ。「こんなことしてまで、命を救う意味があるのか?」っていう問いかけはとても重い。
読者としてはこういう事実を忘れないこと、が大事なのかな。それは原子力の怖さなのか医療関係者の努力なのか、それは読む人の心が決めると思うけど。でも忘れないこと、それが本のチカラだし人間の知恵だと思う。こういう記録を風化させないこと。それがとっても大事だと思う。
この本を放流してくれたまさみさんに感謝。ありがとう。
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