河合隼雄さんの「猫だましい」、猫を主題にいろいろな本を紹介するっていう猫好きにはたまらない本。
グリム童話の「長靴をはいた猫」と「百万回生きたねこ」とル・グインの「空飛び猫」と大島弓子の「綿の国星」が入ってて、漱石の「吾輩は猫である」が入ってない時点で、とてつもなくっていうと言い過ぎかもしれないけど、頷きと発見に満ちた名著である。異論は認めるけど。
ということで猫好きは読んだほうがいい。
あと、ル・グインの「空飛び猫」の引用が素晴らしい。猫の立場と人間の立場を対等に扱っててここまでシンプルに人間と猫の気持ちを言い表してるの、読んだこと無い。
人間の兄妹、ハンクとスーザン、猫の兄妹、ジェームズとハリエットのこんなやりとり。
『ねぇ、ハンク』とスーザンは言いました。『この羽ってすごくふわふわしてる』
『ねぇ、ジェームズ』とハリエットは言いました。『この手って、すごく優しいのね』
ちなみにこの書影に使われている猫の置物は村上春樹の持ち物らしい。
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