新年早々、すごい本を連続で読んでしまった。あ、あけましておめでとうございます。今年もゆるゆると感想文ブログをよろしくお願いします。
ということで2013年のしょっぱなから何がスゴかったのか?というとこの2冊。最初はコレ。「サイバラバード・デイズ」。西原理恵子さんの呑んだくれ日記じゃないよ。未来のインドが舞台のSF連作集だよ。
で、次に読んだのがコレ。「ぼくと1ルピーの神様」。大ヒットした「スラムドッグ・ミリオネア」の原作。映画も観てないので丁度よかったかも。
AIやらロボットやら遺伝子改造人間が跋扈するSFとちょっとグロいけどドキドキで最後に心温まる系のフィクションがどっちも舞台がインドだったというのが何かこう、シンクロしちゃったわけです。全然毛色が違うのに実はベースとなってる背景、やたらと貧困でやたらと搾取されてて貧富の差がとてつもなくて、女性はレイプやら人身売買でエライことになってる、と。
SFのほうを書いたのはアイルランド人で、スラムドッグのほうはインド人の外交官。でも見えてる風景がおんなじ。それぐらいにカーストは強烈だし、街はキッタナイし結婚っていうシステムも未来になっても強烈に残ってるし、近隣の国と争ってるのもおんなじ。そんなリアルさにやり切れなさというか、諦めみたいなものがある。そういうのをフィクションとは言えどもチャラに出来ないぐらいに強いってことなのかも。でもそれを突き抜けるぐらいに物語として良く出来てて面白い。ていうかその現状があるからこそ、こういう物語が作られるんだな、きっと。
なんでもかんでもでっち上げればイイっていうものじゃないっていうのがよく分かる。リアリティをベースにしてファンタジーを作るとこうなるっていう良い見本。ホントかどうかはインド行ったこと無いから分かんないけどw
ところで、「ぼくと1ルピー」のほうは男性同士の、というか大人の男性が未成年の男性を襲う、女性に暴力をふるうっていうのがバシバシ出てくるんだけど、こんなにもインドの成人男性っていうのはスゴイものなのかな?こんなところに女性が一人で旅行とかしてたらエラいことになっちゃうよねってオモタ。例のバスでのレイブ殺人の騒動を同時進行でみてるとあまりにシンクロしてて実にオソロシイです。
これ、未読の人は2冊連続で読むととてもおもしろいと思います。オススメ。インドのファンタジーの現在と未来を同時に味わえてとってもお得。
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