ダニエル・タメットというサヴァン症候群の青年の半生を描いた自伝。数字が色とか形を伴って見える、感じられるという共感覚を持っている人で、ヨーロッパの円周率の暗記の記録を持ってるということはさておいて。
ぼくには数字が風景に見える
この人が幼い頃から他人に興味がなくてひたすら自分だけの遊び(主に数字を数えたりすること)に没頭していた頃から、学校に通いだして同性が気になって、同級生に片思いいして、その恋に破れちゃう辺りの話と、初めて一人でリトアニアに仕事のために引っ越して、ふとしたきっかけでゲイコミュニティに連絡をとって、初めてゲイの友達が出来たこと、そしてイギリスに戻ってPCを手に入れてネットで今のパートナーに出会ったこと、なんかがもうサヴァン症候群とか関係なく普通の恋愛物語として読める。ていうか、もともと対面でのコミュニケーションがすごく苦手なサヴァン症候群の人がネットとPCでこういう風に可能性が拡げられるっていうのは、マジでテクノロジーの勝利な気がする。
自分がゲイで好きな人が出来たって両親に告白する辺りの記述がとても爽やかでそっけないぐらいにあっさり書かれてるけど、ちゃんと受け入れた両親も素晴らしい。
その辺読んでるだけでじわっと来たわー。おじちゃん、最近、涙もろくてアカンわー。
ということで一人の「天才物語」なんだけど、それを支える両親とか弟や妹の話も取り混ぜて、すごく爽やかな物語になってる。その能力の部分の「スゴイ!」っていうところよりもすごく努力して環境に適応していきながら、自分の生活を作り上げていく過程がすごく良かった。
だいぶ前に読んだ「くらやみの速さはどれくらい」っていうこれまた自閉症の男性が主人公の本を思い出した。
くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)もう一度、これも読み返してみようかなぁ。
参考に昔書いた記事。2006年の記事か!古いなぁ。でもよく覚えてるじぶん>エラい。
http://yasuyukima.typepad.jp/blog/2006/06/%E8%B3%AA%E5%95%8F%E8%B3%AA%E5%95%8F.html
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