昨日のスゴ本オフで、常連のけいこさんにこっそり「読んでみて下さい!」って手渡された「あの犬が好き」。
今日、初めて読んで衝撃を受けた。ていうかこんなに短くて散文的な文章というか詩なのに、本編と最後の方に載ってる引用されている詩の中身が呼応してるというか交差してる。読み終えて「あ!そうだったのか!ぎゃ~!」って叫びたくなるぐらいに超絶的に複雑なのに調和しているっていうなんかこう、人間が作ったんじゃなくて全知全能の神とまでは言わないけど、天使が悪戯しちゃったみたいな巧妙な構造になっててもうナニ書いてイイのかわからないくらいに感動した。
タイトルだけ読むと「あ~。また動物ネタのジワジワ泣かせるそういう話じゃね?」って思うでしょ?違うんです。
だいたい冒頭の一発目がコレだもん。
いやだ
だって、女の子のもんだよ。
詩なんてさ。
男は書かない。
これの原文をAmazonの中身みる機能で見付けた。
I don't want to
because boys
don’t write poetry.
Girls do.
もうのっけから「えぇぇ!」って思うじゃないですか。そこからは不思議な文章が続くんだけど、つまり主人公のジャックが有名な詩人の作品を読んでその感想的なものをセンセイに宛てて書く、つまり感想文風な日記なんですね。日記の後に引用された詩が紹介されるという形式。
ただいろんな要素がそこに交差していて、最終的に最後まで読み通すと「うわぁ~なんだこれすごいわー!」になるという、文字通り天使の悪戯的っていうのがワタクシの印象です。
翻訳の金原瑞人さんが最初の文章の男女の並びを変えて、女の子と男という対比にして、いかにもタフなオトコを演出したがってるガキンチョがこの一文でスゥっと理解できる。つまりは素晴らしい。
あ~、もうね、何度でも読み返してます。単に犬で泣かせるだけじゃなくて主人公のジャックの成長とかワンコをシェルターにもらいに行くときの話とかお父さんとの会話とかドキドキとワクワクが伝わってきて、こんなにサクッと読めるのに味わい深い本って久しぶりかもしれない。
もうAmazonさんのオススメ通りに翻訳本と原本の2冊をお買い上げするべき。
けいこさん、貸してくれてありがとう。
翻訳本のアフィリンクはこちら。
あの犬が好き
原本のアフィリンクはこちら。
犬好きでも猫好きでも、男の子の父親は読んでみるべきかも。あ、もちろん男の子のお母さんも。ていうかみんな読め。
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