アレックス・シアラーの本って何冊か読んでるんだけど、主にYA(Young Adult)向けが多くて、読んでてなんか胸の辺りがシワシワする。
つまり、うわーこんなのないわーって思いながらも、まー子どもってこういうコトするよねっていうあの感じ。ドキドキとも違うちょっと甘酸っぱい感じ。気恥ずかしいとも言う。
で、最新の小説のコレ、This is the Lifeってやつを読んでみた。今までのYA向けではなくて初めて!の一般向けらしい。
内容的には脳腫瘍で亡くなった実の兄をモデルにして、死んでいくこと、生きていくこと、周りの人との関わりとかについてそれこそヘンに盛り上げたりせずに淡々と記述している感じ。
途中で出てくる
「宗教は生きている者のためにある。死者はすでに真実を知っている。信仰はもう必要ない。たしかな事実を知っているのだから。ただこの世に戻ってきて、生きている者たちに伝えることはできない。それだけのことだ。」
っていうのがすごく沁みた。今までの語り口からだいぶ吹っ切れて(というか亡くなった兄がモデルなのでヘンに格好つけることも無いんだろうけど)、素のままの心情が出てる感じ。逆にここまでアカラサマに死と生について吐露しちゃうとあとあとタイヘンなんじゃないかとは思うけど、取り越し苦労ですね、わかります。
ということで特にココがスゴいとか感動したとかは無いんだけど、しんみりするのでオススメです。
おれたちはおしまいだ、もうダメだって常に死んじゃう兄が言ってるんだけど、それをその弟である著者がどういう風に躱すのか、それがどう変わっていくのかって辺りを味わうのもヨロシイかと思います。
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