復刊ドットコムで復刊されたアーシュラ・K・ル=グインの1971年の小説。夢で現実を変えてしまう男の悲しさと喜びを描いたSF。
天のろくろ (fukkan.com)
読み始めてすぐ、33ページの辺りで鳥肌が立つぐらいに戦慄した。最初は、なんだろうこれ?ぱっとしないなぁと思っていたその気分を吹き飛ばすぐらいの衝撃だった。真夜中に読んでいたからかもしれない。
その後は、いったいこれからどうなるのか?結末は?途中から出てくる異星人は何をするの?というちょっとハラハラドキドキの展開で、あっと言うまに読めるスピード感がある。でも、全然、SFっぽくない。っていうか、説明しない。そこがイイ。きっとモノスゴイSFっぽくできる素材ではあるんだろうけど、そんなのお構い無しにどんどん話は進む。
これ、是非、映像に(映画に)して欲しいなぁ。物凄くインパクトのある画になると思うんだけどな。
やるなら、主役のジョージには、「ロード・オブ・ザ・リング」でイライジャ・ウッドの友達のサムを演じたショーン・アスティン。グーニーズにも出てたんだ。それともう一人の重要な役、精神科医にはジョージ・クルーニィ。これ、絶対。
自分中心でだんだんおかしくなっていく役ははまると思う。
で、褐色の肌を持つやり手の女性弁護士は、ハル・ベリーかなぁ。もっとイヤミなぐらいの方がイイかなぁ。黒人の女優を、あんまり知らないのでダメですねぇ。
ゲド戦記で有名(一般?)になったル=グイン。「始まりの場所」もそうだったんだけど、決してステレオタイプなSFにならないところが凄いなぁ、とゲド戦記を読んでも観てもない人が言うのも片手落ち、かな?
復刻版ドットコム、イイ仕事してますねぇ。
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