図書館という所は、ある目的をもって本を探すには良いところだと思う。でも、「何かないかなぁ?」ぐらいの軽い気持ちで書棚に向かうとそれはもうめげてしまう。そこで、「新着図書」というコーナーがとっても役に立つ。最新の蔵書、特にハードカバーを色んなジャンルマゼコゼで見せてくれる。
「野球とシェイクスピアと」という本もそこで見かけて借りてみた。冒頭のこの文章で「借りてみようかな」と思った。
野球についての本なら、ゴマンとあるだろう。
シェイクスピアに関する本は、その何倍もあるに違いない。しかし、野球とシェイクスピアを結んだ本は、おそらく世界でもこれ一冊ではないか。
生来の無能の上に田舎住まいをしている私が、こんなものを書こうとするに至った背景には、思いがけない偶然があった。そうでなくて、どうしてこんな無茶などできるものか。
つまり、野球のツールを調査しているうちに、野球をイギリスから伝えたと思わしき一人のエピソードがシェイクスピアの劇、『テンペスト』に使われている、しかもそのふたりは歳こそ違え、同郷であった。そしてあのメイフラワー号で最初にアメリカに渡ってきたその開拓者の数世代後の子孫が、日本に初めて交易を目的に渡ってきた人たちのリーダーだった、なんてすごく歴史のアヤみたいなものを感じません?200pに満たない薄い本だけど、筆者が調べていくうちに発見した驚くべき繋がりとかに、「おぉ!そうなん?そういうことなん?」って一緒になって驚いてみる。
ジョン万次郎を救った船の名前、「ジョン・ハウランド号」(このジョンが実はジョン万次郎の名前のジョンなんですけど)の元となったジョン・ハウランドはこのメイフラワー号に乗りながら、途中で海に落ちて死にそうになったジョン・ハウランドという下男だったなんてスゴくないですか?ホント、アヤって感じ。
ちょっと前の記事で「アメリカに居ると日本の歴史を知らなくて困る」てなことを書きましたが、実は、アメリカ人ならきっと最初に学ぶ彼らの歴史、イギリスからの入植者たちの苦労の歴史なんてのも、この本で初めてちゃんと知ったわけで。なんだか、もう一回歴史の勉強したいな、なんて。ちびっこが大きくなったら一緒に勉強させてもらうかな。
それとテンペストは読んでみよう。何故かって言うと前に読んだダン・シモンズのイリアムのモチーフになってるから。なので、こっちもメモということで。
最近のコメント