さて、「一層充実した」というマクラコトバが妙に受けてます。そして大分前に書いた「イリアム」の続編、「オリュンポス」について一層充実した感想文を書いてみようかと。
ギリシャ神話をベースにどうしてこんな風に複雑な筋を発想して構成できるのか、いっかいアタマん中、かち割って覗いてみたい驚異&空前絶後のストーリーテラー、ダン・シモンズ先生ですが、前編では、「えぇ!ここで終わっちゃうの?」という絶頂前の寸止めという具合だったのを見事に解消してくれたという感じ。
最終的にとてもハッピーエンドで読んだ後の感覚が清々しい。あれだけ離れていた筋がここでこう重なるのかぁという種明かし的快感満載。で、お馴染みのシェークスピア狂いのマーンムートとかプルーストマニアの巨大ガニもどき、イオのオルフとか究極の悪役、キャリバンとか男丈夫のアキレウスとか情けないホッケンベリーとか憎めない悪女(美女)のヘレネとか、もう役ドコロがそろい過ぎ。こんなメンツでバシバシとシーンを切り替えながら、疾走していくんだから、たまりません。
しかし、これ、絶対にUSではR指定の映画にしかできないと思うなぁ。性交シーンも大事なとこで出てくるし、殺戮シーンはモノスゴイことになってるし。
前にも書いたけど、映画になったら、「マーンムート萌え〜」の人、激増だと思う。ハードボイルド系の人には、ハイペリオンの究極の殺戮マシーン、シュライク、かなぁ。ここには出てこないけど。
マーンムートとイオのオルフだけでサイドストーリーやってくんないかなぁ。
でも大事なとこがこれだけでは終わっていないので、きっと続編があると思う。
イリアム陥落から20年後ぐらいにハーマンとアーダの息子、ジョンが大人になってキャリバンと対決、脇を固めるマーンムートとイオのオルフ、なんてワカモノの成長物語にしてくれないかなぁ。そんなにシンプルな筋になるわけないと思うけど。
どっちにしろ、読むならイリアムとオリュンポス(上下)を揃えて一気に読むと言うのがイイと思う。一週間ぶっ続けで深夜に読めば、終わると思う。でも、この記事、どう読んでも「一層充実」してない。www
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