イラク戦争の体験、つまり戦争に行ったこと、そして一時帰国の時に妻と子供を連れて脱走したこと、をまとめた手記を読んでみた。「イラク 米国脱走兵、真実の告発」という本。
いわゆるアメリカの田舎の貧乏な白人のガキンチョがその貧しさから逃れるために兵隊に入る、というきっかけのあたり、つまり、自分の家族に関する話がリアルだなぁ。最低限の教育、継父によるDV、アルコール、そして銃。こういう環境に居て収入と保障を受け取るために選択する職業としての兵士というのが本当に彼がその環境から抜け出すために必要だったというのはよく判る。
そして戦わないことを選択したつもりでも、当然のように戦地、この場合はイラクだけど、に向かう。そしてそこで目の当たりにした狂気としか言えない状況。殺したイラク人の生首でサッカーするとかもう異常。
著者がイラクに居たのが2003年の3月から12月だから、ちょうど開戦の直後からの9ヶ月ということだ。驚くのはその時点で「戦争」と言いながらもこの本に直接の戦闘のシーンが少ないこと。ひたすらテロリストを攻撃もしくは捜索すると称してイラク人の家に押し入って破壊をしまくる、成人男性(150cm以上の男性)を確保する、そして金品を盗む、ということばっかり。気に入らなかったら、銃をぶっぱなす。
これ、どうみても戦争というより単に武力による侵略じゃないかと。
あんまりにも具体的な事例がキモイので引用は止めておくけどイッコだけ。
暴力が暴力を呼ぶって言う命題は、こないだ観たグラン・トリノでも取り上げたけど、どこかで誰かが断ち切らないとイケないんだろうと思う。イラク戦争でアメリカ人にそれが出来るんだろうかとちょっとギモン。
「敵が見えない戦争」というものの難しさ、そして人間の残酷さを理解するにはとても良いサンプル。あとアメリカが抱える貧困を当て込んだ徴兵制度というヤツの正体がちょっとだけ垣間見えて、ある意味とてもコワイ。どっちかというとイラクで何をしたか?よりもこの貧困徴兵ビジネスというかエコシステムが無くならない限りは、アメリカ人は定期的に「戦争」というイベントを起こすんだろうと思う。
そういう意味でアメリカの兵士というのはベトナム戦争の時からなにも変わってないのは、よく判る。
そして戦わないことを選択したつもりでも、当然のように戦地、この場合はイラクだけど、に向かう。そしてそこで目の当たりにした狂気としか言えない状況。殺したイラク人の生首でサッカーするとかもう異常。
著者がイラクに居たのが2003年の3月から12月だから、ちょうど開戦の直後からの9ヶ月ということだ。驚くのはその時点で「戦争」と言いながらもこの本に直接の戦闘のシーンが少ないこと。ひたすらテロリストを攻撃もしくは捜索すると称してイラク人の家に押し入って破壊をしまくる、成人男性(150cm以上の男性)を確保する、そして金品を盗む、ということばっかり。気に入らなかったら、銃をぶっぱなす。
これ、どうみても戦争というより単に武力による侵略じゃないかと。
あんまりにも具体的な事例がキモイので引用は止めておくけどイッコだけ。
ぼくは気づいた。われわれアメリカ兵自身がテロリストなんだということに。ぼくらはイラク人にテロ行為を働いている。脅かしている。殴っている。彼らの家を破壊している。おそらく彼らをレイプしている。だとすれば、われわれが殺さなかった人びとが、この世でテロリストになったとしてもなんの不思議もない。われわれが彼らにしたことを思えば、彼らがわれわれやアメリカ人すべてを殺したいと望んだとしても、誰が非難できるだろう? 暗い考えがガンのようにぼくのココロの奥に深く住み込んだ。それは大きくなり、化膿し、過ぎた日々のいちいちについて、さらにぼくを苦しめた。われわれアメリカ人はイラクでテロリストになってしまったのだ、と。
暴力が暴力を呼ぶって言う命題は、こないだ観たグラン・トリノでも取り上げたけど、どこかで誰かが断ち切らないとイケないんだろうと思う。イラク戦争でアメリカ人にそれが出来るんだろうかとちょっとギモン。
「敵が見えない戦争」というものの難しさ、そして人間の残酷さを理解するにはとても良いサンプル。あとアメリカが抱える貧困を当て込んだ徴兵制度というヤツの正体がちょっとだけ垣間見えて、ある意味とてもコワイ。どっちかというとイラクで何をしたか?よりもこの貧困徴兵ビジネスというかエコシステムが無くならない限りは、アメリカ人は定期的に「戦争」というイベントを起こすんだろうと思う。
そういう意味でアメリカの兵士というのはベトナム戦争の時からなにも変わってないのは、よく判る。
[this is good] Try to look for the answer to your question in google.com
投稿情報: William Kahn | 2010/05/09 08:40