「図書室からはじまる愛」っていうだっさい邦題がついた本を読んだ。2009年にボストン作家協会賞受賞および全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」に選ばれた本で、書いたのはインド人の女性。
筋書きは、1941年のインドでのお話。1941年っていわゆる真珠湾攻撃で日本が戦争に踏み込んでいく時期なのね。本文のなかにも日本軍がインドの資源を目当てに上陸して殺しまくる!それを止めないと!みたいなのも出てくる。
主人公は15歳のヴィドヤっていうお嬢様。お父さんは医師で独立運動に片足突っ込んでるインテリさん。で、おうちはブラフマンというカーストでいうと一番上の階級というのが背景。その独立運動のせいでお父さんはもう会話も出来ないような怪我をしちゃって、そこから「おしん」真っ青な親戚によるイジメと貧乏な生活に真っ逆さまという辺りから、話はドンドン展開していくのね。で、そんな状況を助けてくれたのは親戚のお家の二階にあった図書室だったという。
「愛」とか書いてあるけど、どっちかというと15歳の女性が数少ない理解のある大人に守られて成長していく、っていう物語。たしかにヤングアダルトな層にはピッタリな筋書き。ヘンに恋愛の描写がくどくどしくないのがよろしい。
つまりは、15歳の女の子が辛い境遇の中で読書に楽しみを見つけながら、愛する相手を、自分の将来を見つけていくっていうお話。まぁ、ちょっとファンタジーっぽいけど。
でも、読んでるとなんていうか、胸が騒ぐというかドキドキすると言うかなんか一刻も早く読み終えたい!っていうキブンになってそんなところもナニかヤングアダルト風です。
ちょっと気になったのが、インドを植民地にしていたイギリスがカースト制をさらに強化して国民同士が差別というか区別するようになった、と言う辺り。これって本当なんだろうか?
その辺はまた調べてみたいなぁ。ということで暑い夏にはおススメかも。
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