こないだのスゴ本オフで貰った「調理場という戦場」という本、読んでみて思った。
何かを成し遂げるってことは、それで終わりじゃ無くて実は始まりなんじゃないか、と。
そして、そういう境地に達するために、常に自分が何処に立っていたのか?どこから来たのか?をちゃんと覚えておくことが必要なのだ、と。
本の中身は23歳でいきなりフランスに行って調理場で修行を積んで〜ってハナシなんだけど一応は時系列に並んではいる。しかしけっこうハナシがあちこちに飛んでしまう。でも3時間もあれば読めちゃうので一気に読むのがオススメ。私は幕張メッセの往復で読み終えました。
冒頭にすごくズシッと来るようなことがサラっと書いてある。
今、料理人の生活を若い頃からくりかえすかと訊かれたとしたら、正直なところ、ちょっと勘弁してください、と思う面もあるのです。
しかし、若い頃はそのつらさが何だかよくわからないから、怖いけどやれちゃいますよね。わからないがゆえにやれちゃう。若さのすばらしさって、きっとそういう「あまりわかっていない」ということですよ。
そしてこのテーマに沿ったことがずっとずぅ〜っと後ろにまた出てくる。
つまり、人生に近道はないということです。まわり道をした人ほど多くのものを得て、滋養を含んだ人間性にたどりつく。これは、ぼくにとっての結論であります。技術者としても人間としても、そう思う。
若い時は早くゴールしたいと感じているでしょう。それも、じれったいほどに。ぼくもかつてはそうでした。でも、早くゴールしないほうがいいんです。ゴールについてはいい悪いがあるから。
わからないけど、とにかく飛べと。でも焦るなと。回り道してもいいじゃない?と。
そしてもっとガツンと来るお言葉が。
いつもお店の若い人に言うのは、「『どうしたらこうなるか?』はわからない。何でそんなに早く結果を知りたがるの?自分で、やってみたらいいじゃないか」ということです。
ぼくにだってわからないのです。やってみなければ、誰にだって知ることはできないと思います。でも、わからないからこそすばらしい。わからないからわかりたい。わかりたいから、またやってみたいという気持ちになれるんです。
きっと文章で書かれた以上のすごい苦労をしてきただろう人から「ぼくだってわからない」って言う言葉が出る、そしてそれを若い人に伝えられるって、イイことだなぁ。自分が若かった時のスタート位置をちゃんと覚えてるってことなんだろうなと思う。そして今いる所から常に先を見つめている。もちろん、その先が見えなかったとしても。
こういう大人でありたい。9歳の子どもを持つ親として切に思う。オススメします。
追記:コート・ドールってどこにあるのか探してみたらなんと古川橋じゃん!うちから歩いていける距離だ!お金貯めて一回は行ってみようっと。
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