この記事のタイトルだけみるとなんのことやらわかりませんが。
感染症医の著者、岩田さんのケニアでのボランティアの日々(2010年の9月20日から27日)の記録、なんて書くといろんなエピソード満点の最後は感動の物語、なんてことを想像する人がいるかも知れないのでちゃんと書いておくとそんなことはまったくありません。
とにかくやってくる患者をちぎっては投げちぎっては投げというと語弊があるけど、数こなして最低限の薬を出す、それをひたすらやる。で、そのなかで見つかったHIV陽性の患者に対してフォローする。そういう話。その時に感じた類化性能と別化性能という事に関する考察というかメモが書かれているエッセイと思ったほうがイイかも。
でも途中で薬害エイズの話とか多剤耐性アシネトバクターの感染の話(帝京大学病院のアレです。もうみんな忘れてるよね。岩田さんの書いた記事はこちら)が出てきてからが熱い。文字通り熱い展開なのである。と語尾を思わず変えちゃいたくなるくらいに。
その熱さは著者の方のこんな記事にも現れてる。タイトルは「どっち向いてるの?」まぁ、読んでみてください。
ということでケニア旅行の参考にもあまりならないだろうし、かといって去年の事件?を振り返るのにもちょっと物足らないかもしれないけど、熱い思いが伝わって来る。そして
基本的に日本の感染症対策で最も欠如しているのは、専門性、総合力、そしてビジョンなのである。
という一文の「感染症対策」の部分に少子化政策でも原発問題でも入れてみたい気がするのはホントに気だけなんだろうか、と思いつつ、オススメします。
ちなみにこの記事のURLのbahati_haina_dewaというのはこの本のカバーにも書いてある言葉のコピペなんだけど、スワヒリ語のことわざ、「運につける薬なし(運命にはさからえない)」という意味らしい。
最近のコメント