思いっきり観念的な、もしくは哲学的な本かとおもいきや、とても丁寧な経済本だった。
「大震災の後で人生について語るということ」。書いたのは橘玲さん。
タイトルと装丁がとても暗くてシンミリしてたのに中身はけっこうアッケラカンとした経済に関するハナシだ。最初のパートで日本人の人生設計を支配(!)してきた4つの神話、不動産、会社、円、国家、がどう崩壊してきたかを語り、次のパートで、ではどうやってそういう神話無き後を生きるのか?を説明する、という構図。
これ、読んで日本人って守るだけじゃなくて何かを壊してでも前に進まないとマズイよなぁと思えてきたんだけど、年寄りが年金やらナニやらを守ることをやってくれる政治家を選んで、これから負債を負わされる数少ない若者がナニも手立てが無いっていうのが一番やばい構図なんだろうなぁとボンヤリ感じた。
橘さんが挙げている改革は、定年制の廃止、同一労働同一賃金の実現、雇用調整の緩和による整理解雇の実現ってこと。なるほどこれは社畜の皆さんには困ったハナシなのかもしれない。
でも若者が起業して成功することもとても大事だけど、ソフトウェアとかゲームとかという狭いフィールドでイノベーションを起こすだけじゃなくて、政治家としてもっとデッカイ社会のイノベーションを起こすぜ!みたいな人がいてもイイと思うんだけど、日本の政治家って成功者としてもロールモデルとしても全然良い前例になってないっていうのが問題なんだろうなぁ。あとやっぱり数字も論理も法律にも詳しい官僚を如何に上手く使うか?という部分が必要なのかもと思うんだけど、それって苦手な人が多そうだ。
思うんだけど、政治家も一人で全部背負わないで芸能人的に複数人でユニット形式にして政策立案やったらイイのにって思う。数字に強い人、プレゼンが巧い人、年寄を手懐けるのが上手な人、法律に強い人、そういうのがチームになって政策作って前に進めたら面白いのになぁ。どうだろう、復興48とか少子化対策48とか雇用48とかww あ、48は多すぎるかw
ということで表紙の暗さにメゲずに手にとってみることをオススメします。
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