野球とサッカーってコトあるごとに正反対なスポーツだなぁと思うんだけど、その一面が「データ」じゃないかな。野球ってスコアラーって仕事があるぐらいに一球一球を数値化出来る。打率から防御率、出塁率、エラー数、投げたタマがナニで何処に投げられたのか。
対してサッカーってとにかくプレイが繋がっていて中断しないから点を誰が取ったのか?サポートは誰か?以外はなかなかわからなかった。失点した直後に得点をあげられるチームはどこか?とかね。詳しく分析するためには、およそビデオの再生機能がなければ正確に振り返ることもできないし、それを数えるのはある程度訓練を積んだ人間で無いと出来ない。きっと試合のビデオを振り返ることができなかった近代以前のサッカーっていうのは、評価するのはなかなか難しかったんだろうなぁ。
ということで今回読んだのはコレ。「調べてもわからないサッカーのすべて」。書いた人は「週刊サッカーダイジェスト」の元記者の猪狩真一さん。
サッカーダイジェストのコラムを元に「数値化できないサッカーをなんとか数値化したい」という思いで綴られた22の調査ファイルを元に、サッカーっていうゲームだけじゃなくチームの状況とか育成組織とか選手の年齢とか色んな角度で理解しようとする大胆な試みなんだけど、いかんせん思惑が外れてるのもあったりするのがウケる。でも好奇心の勝利とも言える。読んでてスゴク面白いから。タイトルで「調べてもわからない」って言い切ってて降参気味だけど、イイと思います!
特に「つなぎ倒して点を取れ!J1遅攻選手権」っていうコラムではどれだけパスを繋いで点をとるのか?のベストチームを紹介してる。そう、今流行りのポゼッションで点を取るっていうのはどこが得意なのか?ってハナシ。こういうのを地道にデータ化するの、大変そうだなぁ。結果は興味深いけどもw
余談ですが、ちなみにFCバルセロナの隆盛以来、ポゼッションっていう魔法のキーワードにとらわれている人はこっちもどうぞ。バルサのサッカーは意外と数学的だぞ!っていう感想文。
http://yasuyukima.typepad.jp/blog/2011/07/position_and_possession.html
この本の中に収められているガンバ大阪の司令塔、遠藤保仁のインタビューとか読んでも、如何に敵の目を欺いてボールをゴールまで運ぶのか?という辺りが独特の語り口で書かれていて楽しい。遠藤ってこんなこと考えてボール蹴ってるんだってのがわかる。それを中村憲剛のインタビューと比較して脚注で解説してたりしてとても面白い。
サッカーをこうやって数値化すると面白いってことを他の物事に照らしてみると、意外とわけわかんないと思っていたことも大局的にみられるようになるかもっていう意味でサッカーファンじゃなくても楽しいかも。
ふと思ったんだけど、政治家の活動も数値化できない最たるものだと思うけど、こう言う風にどこどこの会議に出た、何を発言・質問した、視察に何処に行った、何を書いた、どこで誰と会ったetcを全部データ化したら、楽しいかもね。それで見えてくるものもイッパイありそうだなぁ。
大阪の橋下さんがやってくれないかなぁ。政治家の活動のデータ化。
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