なんかこないだ佐久間正英さんの「Good bye world」っていうマジでテスタメント(遺言)チックな記事を読んだ後だっただけに「Testament of Jessie Lamb」っていう原題に惹かれて読んでみた。
世界を変える日に (ハヤカワ文庫 SF ロ)
著者がこれを書く時に参考にしたのがカズオ・イシグロの「私を離さないで」っていう、かつて読んでこんなに辛かったのも無いぐらいの本だったというのは、あとがきを読んで知ったんだけど。
とにかく、未来のイギリスで、妊娠すると狂牛病にかかったみたいに脳がグダグダになってしまって死んでしまう、という疫病の発生をキッカケに一人の女の子がある重大な決意をして......っていうお話。つまりは人類滅亡の取っ掛かりみたいな時期のお話です。
SFでもなければ、ヒューマンドラマというにはちょっとオチがなんというか、え~とアレです。これ以上書くとネタバレになっちゃうんだけど。
とにかく主人公のジェシーとその両親の葛藤、友だちとの葛藤というのが全面に出てて、最後までハラハラするんだけど、なんかオチが落ちないという、ホント、マジでカズオ・イシグロしてる。
なんなの、イギリス人ってこういうず~っとオチが無くてそのまま逝っちゃうようなお話が好きなの?どうなの?だってだれも救われない気がしてて、あ~、読むんじゃなかったって思ったんだけど、カズオ・イシグロよりは遥かにラクに読めたので、なにかが違うんだろう。
変な話だけど、「エヴァが目ざめるとき」っていう名作SFを思い出した。
エヴァが目ざめるときこっちのほうも救いが無いけど、ずっと良い作品だと思いますた。(・∀・)
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